江戸時代
history No.47
◆雨請㸘霛塔(あまごいばんれいとう)
降るべき時にちょうどよく降っておくれ
歓盛院(かんせいいん)(下三條)境内入口に立っている石塔は、高さ120cm、幅44cm、厚さ26cmの角柱形で、正面を彫りくぼめ「〇㸘霛(ばんれい)」と大きく刻まれています。側面には「享保十六」(1731)と年号が刻まれており、今から約300年前に建立されたことがわかります。
一筆で表現された大きな「〇」は円相といい、禅宗で悟りのイメージとして描かれる形です。「㸘霛」は「萬霊」の異体字で、この世のあらゆる生命あるものの霊という意味を持ち、それらを供養することを目的にこのような石塔が各地に建立されました。
歓盛院の㸘霛塔には、しめ縄を張りめぐらし、舞を舞って雨請の祭りをしたことが古老により伝わります。また、〇の部分に水をかけて雨請祈願をしたようで、雨請㸘霛塔とも呼ばれます。
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