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みなさんの健康

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山梨県中央市

◆ほんの少しの工夫で美味しく減塩!
山梨大学医学部附属病院 栄養管理部 管理栄養士 若尾佑季奈

食の欧米化が進み、日本でも肥満やそれに伴う生活習慣病が問題になっています。
私は普段、患者さんに栄養指導を行っているのですが、患者さんの中には「健康を考えて日本食を食べるようにしています」と仰る人を多くお見受けします。確かに、欧米の食事に比べ日本食はカロリー、脂質共に低い傾向があります。一般に日本食〝健康〟と言うイメージも強いかと思います。しかし、日本食にも注意しなければならない落とし穴があります。それが「塩分」です。
日本食というと、焼魚や味噌汁に煮物、そして漬け物といったメニューを想像される人が多いと思います。日本食は白米に合うよう塩辛いおかずが多く、また使用される調味料も、塩、醤油(しょうゆ)、味噌(みそ)などの比較的塩分含有量の高い物が多い事も事実です。健康のためにと、積極的に日本食を選択しても、塩分に気を付けなければ、かえって高血圧など、さまざまな疾患のリスクが上がってしまいます。そこで「減塩」が必要となります。
「減塩は美味しくない」というお声をよく耳にします。確かに毎日食べる食事が味気なかったり、美味しくなかったりすると、生活の励みや満足感も減ってしまいます。そこで、今回はできるだけ美味しく減塩に取り組む方法をご紹介します。

▽汁物、漬け物の摂取回数、量に気を付ける事(一日一回箸休め程度までに)
▽竹輪やはんぺんなどの加工品は塩分含有量が多いため控えめにし、なるべく良質なたんぱく質食品(生の魚や肉)の使用を心がける事
▽減塩を補うために、酸味(柚子(ゆず)、レモン汁、酢)、香味野菜(大葉、生姜(しょうが)、みょうが)、香辛料(コショー、カレー粉、辛子(からし)、わさび、マスタード)を取り入れ、味のアクセントをつける事

このような取り組みを自分自身が無理なく意識し、行っていくことが大切です。いきなり厳しい塩分制限をしてしまうと、大変で長続きしないため、これまで何気なく摂取していた「塩分」に今後は少しずつ気を付けていきましょう。
減塩食品や調味料も、スーパーで取り扱われているので、試してみるのも良いと思います。ほんの少しの行動や意識が、数年後、数十年後の健康寿命に繋がります。

企画 一般財団法人 里仁会

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