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ほくと歴史めぐり

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山梨県北杜市

■「揉合(もみあわせ)神社」と風除林
道の駅こぶちさわや山梨県馬術競技場など施設が多くある小淵沢インターから北側一帯には美しいアカマツ林が広がっています。現在、小淵沢財産区が管理するこのアカマツ林は、今から350年ほど前に小淵沢村の人々によって植えられたものです。この林の一角、八ヶ岳高原ラインを挟んで「道の駅こぶちさわ」の反対側の小高い丘の上に「揉合神社」がひっそりとたたずんでいます。
小淵沢村の人々は、厳しい八ヶ岳おろしによる農作物の被害に長い間悩まされてきました。そこで村の北側に木を植え、風除林とする計画を立てました。元禄二(1689)年、代官所からの正式な許可を得て西は甲六川から、東は篠原の境から植林が始まりました。村人たちの手によって東西から進められていった植林が合流し、植林が完了したときには30年もの歳月が過ぎ去っていました。村の人たちは植林が最後に落ち合った場所に、正徳五(1715)年、植林の完了を記念するとともに、村の繁栄を祈願し祠を建立して揉合神社と名付けました。
その後、村では木々がよく茂るよう管理するとともに、盗伐や放火などには厳しい処分を定めるなど風除林を大事に育成してきました。その結果、植林から100年以上が経過した安政五(1858)年の文書には、風除林によって作物の育ちも良く、人家も増えてきたことが記されており、風除林に大きな効果があったことが分かります。
江戸時代、都市部の発展に伴い木材の需要が増加し、藩が産業振興のため植林を行うことは極めてまれなことでした。小淵沢村の人々によって育成されてきた風除林は、小淵沢財産区の区有林となり、美しい自然環境に恵まれたリゾート地として多くの人々を魅了する有数の観光地へと発展してきました。

問合せ:学術課
【電話】42-1375
【FAX】32-6497

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