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ふるさとの誇り193 ○(まる)博レポート

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山梨県南アルプス市

◆遺跡から見た開拓の歴史
南アルプス市の地形は、標高三一九三mから標高約二四〇mまでと起伏に富んでおり、その特徴から昔から、地形ごとに「山方」・「根方」・「原方」・「田方」地域と呼ばれ、それぞれの地形や環境に適した生業・文化が育まれてきました。
市内にはおよそ四八〇もの遺跡(上図のオレンジで示した箇所)の存在が確認されています。これまでに本格的な発掘調査を実施した遺跡はほんの一部ですが、それらの調査結果からは、先人たちがこの起伏に富んだ地形と上手に向き合い、また、厳しい環境を乗り越えるべく挑戦し開拓してきたフロンティアとしての姿がみてとれます。
地形と遺跡の分布関係を観察するとさまざまなことに気づきます。たとえば根方と呼ばれる市之瀬台地周辺や、御勅使川扇状地末端地域の「原方」と「田方」の境目付近に遺跡が集中しています。山が近く森の資源に恵まれた陽当りの良い高台や、御勅使川が押し出してくる土石流も勢いが減り、少し下れば水が得られる扇状地の末端に集落が集中していたのはうなずけます。ただし、時代を追ってみることで、これら遺跡(集落)の立地も開拓の歴史の一過程であることがわかります。
左上に時代を追って集落の変遷の特徴を図示してみました。
洪水を避けつつ、それでも人口の増大に伴って、地面が砂礫ばかりで水田の作れない原方エリアや、洪水を繰り返していた田方エリアを継続して開拓し続け、現在に至るのです。困難な環境をむしろ利用し、乗り越え、命をつないできた歴史が読み取れます。

※1 南アルプス市の北部には古代・中世に「八田牧」と呼ばれる「牧」があったことが史料により知られています。

写真・文 文化財課

※詳細は本紙P.10~11をご覧ください。

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