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【特集】シリーズ まちづくり VOl.45

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山梨県南アルプス市

■〜備えあれば憂いなし!〜 歴史と偉人に学ぶ、地震に強いまちづくり
今年の元日に発生し、全国に衝撃を与えた能登半島地震。本市の姉妹都市である石川県穴水町(あなみずまち)をはじめとした被災地には地震の爪痕が大きく残り、今もなお、多くの住民が避難生活を余儀なくされています。
今月の広報では、9月1日の「防災の日」にあわせ、地震災害に関する話題をお伝えします。

◆〜過去は未来の道しるべ〜 関東大震災に学ぶ
「防災の日」は、今からおよそ100年前の9月1日に発生した「関東大震災」を教訓として制定された防災啓発デーです。今もこの日を含む1週間の「防災週間」にあわせ、市内全域で防災訓練を実施しています。
東京を中心に多くの死者を出したこの地震ですが、驚くべき事に現在の南アルプス市域での死者数は、0(ゼロ)。地震による家屋の損壊も数十棟程度だったと言われています。
しかし、ここで思わぬ出来事が発生します。それは、地震によってゆるんだ「河川堤防の決壊」です。応急工事が行われ、一時は河川からの出水を防ぐことができましたが、その後の降雨により、再び堤防が決壊してしまいます。浸水家屋は数百棟に及び、多くの土地が流される被害に遭いました。
地震災害というと、揺れに伴う家屋倒壊等の被害を思い浮かべがちですが、実際には火災や水害、土砂災害(山崩れ)や液状化現象等を併発するパターンが多く確認されています。お住まいの地域で地震が発生した際に、どういった危険が起こりうるか、市のハザードマップ等を活用し、普段から想定しておくことが大切です。

◆〜耐震構造の父〜 内藤多仲博士に学ぶ
現在、南アルプス市立中央図書館では、本市出身の建築構造学者である内藤多仲(ないとうたちゅう)博士に関する展示が行われています。博士といえば「東京タワーをつくった人」として有名ですが、そもそも彼の名が知られる事になったのは、前述の「関東大震災」が大きなきっかけでした。
マグニチュード7・9、最大震度6の揺れが襲い、東京都内の多くの建築物に被害が及ぶ中、博士が設計した「日本興業銀行」や「歌舞伎座」の建築物は倒壊することなく無事でした。
これにより博士が提唱してきた「耐震構造理論」の正しさが証明され、その後の建築物の耐震性に関する議論が大きく発展することとなりました。
現代の私たちが暮らすまちの安全と建築物の耐震に貢献した内藤多仲博士。博士の功績は、図書館での展示の他、今年発行されたマンガでも知ることができます。

◆〜過去に学んだ上で〜 最新の知識を取り入れる
「積み重ね つみ重ねても またつみかさね」
内藤多仲博士が残した言葉です。
大地震は、いつ発生するか分かりません。しかし、地震対策はこつこつと一つずつ積み重ねていくことが大切です。
県および市では、耐震に関する無料の出張講座を開催しているほか、昭和56年5月以前に着工された木造住宅を対象に、無料の耐震診断や耐震化支援事業を実施しています。地震対策について、お悩みの事がありましたら、ぜひ、お問い合わせください。

※詳細は本紙P.2~3をご覧ください。

問合せ:管理住宅課
【電話】282-6397

▽災害を乗り越えた文化財!! ~国重要文化財「安藤家住宅」のひみつ~
甲西地区の西南湖にある国の重要文化財「安藤家住宅」は、今年、建てられて316年目を迎えます。近年の研究により、安藤家の人々は元々は別の場所に住んでいたことが分かっています。なぜ、現在の場所に新たに住宅が建てられたのか。それは今から317年前の江戸時代に起こった「宝永の大地震」が大きく関係しています。
地震による「液状化」とみられる現象に見舞われた安藤家の人々は、泣く泣く現在の場所に移転を余儀なくされました。しかしながら、現在の場所に移転してからは、災害による大きな被害を受けることはありませんでした。
地震の被害による移転ではありましたが、結果的に安藤家の人々は安全な場所・住まいを見つけることができたのかもしれません。

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