9月に行われた岸田内閣の改造人事は、女性閣僚が過去最多に並ぶ5人となりました。その一方で副大臣・政務官への起用は、54人すべてが男性議員で、女性議員の起用は、前回の11人から一転、ゼロとなりました。将来の閣僚を目指して経験を積むポストの全てを、男性が占めているということです。これまで日本では首相のほか、重要閣僚と位置付けられる財務相も女性が務めたことはありません。
この話題は、各メディアにおいて連日取り上げられました。
2023年日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中125位で、前年から9ランク下落し、政治分野のスコアでは、146カ国中138位でした。
世界130以上の国では、議席の一定数を女性に割り当てるクオータ制度を採用していますが、日本では18年施行の「政治分野における男女共同参画推進法」で、各党に男女同数の候補者擁立を求めていますが、努力義務にとどまっています。
日本における国会議員の女性比率は15・6%、地方議会では15・1%です。(令和5年4月11日内閣府男女共同参画局「女性活躍・男女共同参画における現状と課題」より)
また、自治会長においては、令和4年度女性の割合はわずか6・8%です。(内閣府「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」より)そもそも、女性の国会議員が少ないことが、副大臣・政務官への起用が少なくなることの原因の一つにもなっているのではないでしょうか。
では、女性が政治の世界へ進出していくためにはどうしたらいいのでしょうか。いきなり何の知識も経験もなく国会議員になる人はなかなかいません。まずは身近なところから女性が政治に関わる機会を増やし、地域から地方議員や首長を増やしていくことが、国会議員の男女比率を均等にしていく近道だと考えられます。
今後も、地域において男女共同参画をなお一層推進していく必要があります。
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