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おしえてドクター

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山梨県甲府市

■心臓と足の狭心症
◇狭心症とは
狭心症は、心臓に酵素と栄養を与える血管である冠動脈が狭くなり、酸素供給が不十分になる状態です。運動による負荷で胸の圧迫感・締め付け感の症状がでます。安静にすることや、ニトログリセリンなどの冠動脈拡張薬を用いると症状が軽減されることが特徴です。狭心症は心筋梗塞の前兆として現れることがありますので、早期の診断と治療が重要です。健診での心電図だけでは診断できないことも多く、運動負荷心電図や心臓CT検査などの精密検査が必要となることもあります。

◇足の狭心症
下肢閉塞性動脈硬化症は足の狭心症ともいえる病気で、足への動脈が狭まり、血液・酸素供給が制限される状態です。心臓同様、運動(歩行)によって下肢の血流が不足することで足、特にふくらはぎあたりに痛みやしびれが生じることがあります。運動をやめると筋肉への血流・酸素が充足するため症状が軽くなることも狭心症と同様です。手足の血圧を同時に測定する検査や造影CT検査で診断されます。

◇生活習慣の改善を
狭心症、下肢閉塞性動脈硬化症のいずれも動脈硬化により引き起こされる疾患です。このため、これらの患者さんでは脳への動脈や他の内臓への血流も不足していることが多く、死亡率が高い傾向にあります。そのため早期の生活習慣の改善や血栓予防薬での治療が重要となります。禁煙や適度な運動、バランスの取れた食事などを心がけ、また、薬物療法により血圧や脂質値をコントロールすることも効果的です。
運動・労作で胸や足の痛みがある場合は、かかりつけの先生など、早めに医療機関を受診し、ぜひ一度ご相談ください。

▽市立甲府病院循環器内科
齊藤幸生(さいとうゆきお)ドクター
・平成11年山梨医科大学医学部卒業
・日本循環器病学会専門医、日本心血管カテーテル治療専門医、日本内科学会総合内科専門医
・山梨大学第二内科(循環器内科)助教を経て令和3年から当院勤務

問合せ:市立甲府病院
【電話】244-1111

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