■飽くなき挑戦 さらなる高みを目指して
パラ陸上女子視覚障がいT11クラス 白濱顕子(しらはまあきこ)
Profile:西八幡在住。視覚に障がいを持ちながら短距離走に挑み、9月に香川県で開催されたジャパンパラ陸上競技大会において、女子(T11)100mの部で優勝した。7月に行われた甲府市陸上競技選手権大会では、100m13秒43のタイムで日本記録を樹立。43歳。
「一つ目標をクリアした。記録として残すことができて良かった」と話すのは、9月に香川県で行われたジャパンパラ陸上競技大会、女子(T11)100mの部で優勝した白濱顕子さんです。白濱さんは、7月に行われた甲府市陸上競技選手権大会で、13秒43のタイムを記録した日本記録保持者でもあります。
小学生時代から足が速く、中学から陸上を始めた白濱さんは、駿台甲府高校に進学してからも陸上部に所属し、短距離走で活躍していました。卒業後は競技から離れ、約10年前に病気で視力を失いましたが、陸上部のマネージャーをしているお子さんからの言葉をきっかけに、昨年の夏から競技を再開しました。
白濱さんは、視覚障がいクラスのうち、障がいが最も重い「T11」にクラス分けされています。トラック種目では、選手とガイドランナー(伴走者)が互いにテザーと呼ばれる30cmの伴走ロープを握って走ります。良いタイムを出すためには、ガイドランナーと気持ちを合わせることが重要です。「腕の振りや足の回転等、体を動かすタイミングが少しでもずれると、お互いにうまく走ることができません。しかし、握っているテザーの感覚でコースが分かり、まっすぐに走れるようにアシストしてもらえるため、コースアウトしない安心感があります」
9月に開催されたジャパンパラ陸上競技大会では、台風の影響で強い向かい風が吹く中、予選を勝ち抜き、決勝レースでも見事な走りで優勝しました。「パラ陸上で1位になり、結果を出すことで次につなげることができましたが、自分の走りにはまだ課題が残っているため、ここが通過点であり、第一歩という感覚です」と大会を振り返って話します。
令和8年に愛知県で開催されるアジアパラ競技大会やロサンゼルスパラリンピックへの出場、更に200m走や走り幅跳びでの記録更新も目指し、日々練習に励む白濱さん。「障がいがある中でも、走ることができるのはとても楽しい。8年後には山梨県で国体が開催されるので、そこでも走りたいと思っています」と笑顔で話してくれました。
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