人は誰でも、同じではありません。性別や年齢、国籍、出身地、得意なこと、苦手なことなど、それぞれ違いを持っています。共生社会とは、その違いを受け入れ、支え合い、認め合う社会のことです。
違いのひとつに障がいの有無があります。障がいは、生まれつきのものだけでなく、事故や病気でもなりうる、誰にとっても身近なものです。
今回は、障がいがある方たちが働く市内の事業所の方にお話を伺いました。
■社会福祉法人 信和会
多機能型事業所 わ~く穴山の里
平賀 薫さん
▽働くこと・人の役に立つこと = 幸せにつながる
障がいのある方たちが、将来地域社会で生きていくためには、働きながら生活する力が必要です。わ~く穴山の里では、あいさつ・身だしなみ、困ったときに相談できるなど、生活するために必要な力を身に付けるための支援を行っています。
障がいがあるからといって、何もできないわけではありません。ここまでなら一人でできる、少しの助けがあればできる、この作業は誰にも負けない、といった一人一人に違いがあります。その個性を理解し、できることを見つける、できるように支援するのが、わたしたちの仕事です。
こちらの施設で働く方の中には、ひとつの作業を繰り返し繰り返し続けていくことが得意な方もいます。
同じ作業でも、仕事を始める度に、手順を確認することで、誤りを防ぎ、生産性を維持することができます。
そして、働いた分のお給料も毎月本人に手渡ししています。お給料を、自分のために使うことで、生活の豊かさを感じることができるのです。働くこと・人の役に立つことは幸せにつながります。
▽障がいのある方を知るきっかけに
社会に出るということは、他人とかかわるということです。
障がいのある方が、支援の手を借りながら、わたしたちのように働いていると知っている方は少ないと思います。また、障がいのある方について、知る機会があまりありません。そこで、そのきっかけとなるように、「キットパス」という、クレヨンを使った交流を始めました。
キットパスは、ガラスに描くことができるクレヨンで、水拭きで落とすことができます。その特性を利用して、施設の窓ガラスやショッピングモールの壁などに障がいのある方と一緒に絵を描くイベントを開催しました。同じ場所へ集まって、一緒に描くことで、話すきっかけができたり、一緒に笑いあったり、気持ちを共有することができたと思います。
地域で生活するためには、まず障がいのある方を知ってもらうことが必要です。
普段から関わっている家族や施設の人たち以外の人たちから、褒められることで、変わり映えしない環境に、変化がおこり、楽しいと感じられるようになります。
双方に良い変化をもたらしてくれています。
▽まずは聞く
障がいのある方に声を掛ける際には、全てを手助けてしてあげなければならないと思うのではなく、それぞれの方が何で困っているのか、どのような助けが必要なのかを聞いて欲しいです。
簡単な言い方をしたり、具体的に聞くと、障がいのある方も答えやすいです。
理解し合うことで、お互いに過ごしやすい当たり前の環境につながっていくはずです。
■キットパスとは
米を精米した際に出る米ぬかから取り出されるライスワックスを使用してつくられたクレヨンです。石油などの原料が使用されていないため、全ての年齢の方にも安心して使うことができます。キットパスを製造している「日本理化学工業」は、70%の社員が障がいのある方であり、全ての人たちが協力し、同じ空間で働いています。
■差別を感じた時には、福祉課へご相談ください!
身近な相談相手となる差別地域相談員がいますので、どこへ相談したらよいか分からない、そんな時は、ご相談ください。
特集ページの問い合わせ:福祉課 障がい福祉担当
【電話】22-1992【E-mail】fukushi@city.nirasaki.lg.jp
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