1.はじめに
八百津東部中学校では、中学校3年間を通じて杉原千畝氏の功績から生き方を学び、自分たちの生活や将来について考えをもち、人道の精神を身につけられるようにしています。特に各学年での宿泊研修では、千畝氏に関わる場所を訪れ、学びを深めています。また、9月には全校道徳の授業を行い、「人道精神」や「国際理解」について改めて考える機会をもち、その後に研修への準備を進めています。
2.1年生 八百津・名古屋研修
「杉原千畝氏」「人道精神」に関わって、各小学校で学んできたことをもう一度整理し、これまでの知識や考え方を中学生としての視点で見直すとともに、新たな知識や考え方を学びます。中学校3年間での人道教育の基礎を1年生では培っていきます。
八百津東部中学校に設置の「人道の部屋」および「図書館」にある杉原千畝氏の資料から、調べ学習を行うとともに、社会の授業で歴史についてより詳しく学んだことを足がかりに、中学生としての学びを深めていきます。
杉原千畝記念館では、講師の方から史実について講話していただき、その後、館内で各自調べ学習を行い、自分が伝えたいと思った、千畝氏の功績やそこから学んだ人道精神についてまとめていきます。
また、千畝氏の出身校である名古屋市立平和小学校を訪れ、さらに調べ学習を行い、最後には同校に千畝氏の生誕100周年を記念して設置された「ちうねチャイム」を、平和への願いと自分の将来への希望を込めて鳴らしてきました。
3.2年生 若狭研修
敦賀港は、ポーランド孤児や、杉原千畝氏が発給した「命のビザ」を携えたユダヤ難民が上陸した日本で唯一の港です。敦賀ムゼウムでは、数々の困難を乗り越えて敦賀に降り立った彼らの史実や当時彼らを温かく迎えた敦賀市民の証言やエピソードなどから、杉原千畝氏が発給した「命のビザ」が、その後の日本の人道精神にどのように影響していったのかを学びます。
当時の敦賀の人たちの優しさに触れ、千畝氏の思いとの繋がりを感じることができました。
4.3年生 東京研修
千畝氏が学んだ早稲田大学には現在も千畝氏が書き残した手記やビザが保管されていたり、千畝氏の没後二十五周年記念レリーフなどが設置されたりしています。同大学のキャンパスツアーに参加する中で、千畝氏の功績に改めて触れることができました。
リトアニア大使館を訪問し、3年間の人道教育の集大成として、自分たちが学び、考えてきたことを、リトアニア大使に発表してきました。
千畝氏の生き方から自分たちも周りの人たちと支え合いながら、一つ一つの命を大切にしていきたいという思いを伝えてきました。
5.終わりに
これからも千畝氏の生まれたこの八百津の地を誇りに思い、夢・志や人道の心をもって、たくましくあたたかくしなやかに未来を生き抜いていく子どもを育てていきます。
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