令和6年も残すところ1ヵ月ほどとなり、あれだけ暑かった夏が嘘のように朝晩めっきり寒くなりましたね。これからの季節は、寒さによる暖房器具の使用に加えて、空気が非常に乾燥するため、特に火災への注意が必要です。八百津町においても、11月9日から15日にかけて「守りたい未来があるから火の用心」という全国統一防火標語を合言葉に、秋の火災予防運動を実施したところです。みなさまの心の中にも火災予防についての意識が強く芽生えていることと思いますが、長い冬はこれからが本番です。そこで今回のシリーズ防災安全では、火災を引き起こさないために特に気をつけていただきたいこととして、コンセント周辺に注目してお伝えします。
まず注意が必要なのは、「トラッキング現象」です。「トラッキング現象」とは、コンセント部分と電源プラグの隙間に溜まった埃に「湿気」が加わり、本来なら絶縁状態である電源プラグの両刃間に電気が流れてショートすることで、火花が発生する現象です。電源プラグの両刃間に流れる電気の通り道(炭化導電路)が「トラック」と呼ばれることが、トラッキング現象の名前の由来となっています。
埃に「湿気」が加わることが原因なら、空気の乾燥するこれからの季節は安全なのかといえばそうではありません。空気の乾燥対策として加湿器を使用したり、室内と外との寒暖差による「結露」が発生するため、埃に湿気が加わる危険性に違いはありません。コンセントは、テレビや冷蔵庫などの裏側にあったり、周辺にケーブルがあったりすることから、日頃から掃除する機会が少ないです。そのうえ、多くの方が家を掃除する場合は「床」を掃除することが多く、「壁」についているコンセントについては、掃除の対象から見落とされやすいことも、コンセント周辺に埃が溜まりやすい原因とも言われています。
もうひとつ注意が必要なものとして、「たこ足配線」があります。一般的なコンセントの定格電流は15Aのものが多く、一般家庭用の電化製品の電圧は100Vです。つまり、一つのコンセントに対し、1500W分まで使用できます。たこ足配線によって一つのコンセントに複数の電化製品を繋げるようにしても、1500Wという上限は変わりません。この上限を超えて電化製品を使用すると、過電流によりコンセント部分が発熱・発火し、火災に繋がる危険があります。また、たこ足配線によりコンセントと電源プラグの数が増えるため、先ほど紹介したトラッキング現象が発生する確率も増加します。
火災の恐れのあるものは、みなさまの身近なところにたくさんあります。日頃からコンセント周辺の確認をするようにしましょう。
問い合わせ:防災安全室
(内線2232)
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