■まずは相談を!「特別支援教育」について
1.はじめに
「特別支援教育」とは、障がいのある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導および必要な支援を行うものです。
通常の学級でもこの考え方は大切にされており、特別支援教育の重要性はさらに高まっています。
文部科学省では、障がいのある子一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育が行われるよう、あらゆる観点から特別支援教育の充実に取り組んでいます。町においても、文部科学省で示されているように取り組んでいます。
2.子どもの困りごとに気づく
元気にたくましく成長する姿を見ることは、親や家族にとってとてもうれしいことです。しかし、中には子どもの姿を見ていて、心配になるケースもあると思います。
・落ち着きがなく、長時間座っていることができない
・書く・読む・計算など、苦手なことで学習につまずきがある
・言葉を話すのが遅かったり、使う言葉が少なかったりする
・人との関わりが苦手で、友だちとのトラブルが多い
・ちょっとした物音に敏感で、気をとられ集中できなくなる
◇それぞれの障害の特性
(出典)厚生労働省リーフレット「発達障害の理解のために」
3.特性を理解する
困りごとの理由として考えられるものに、「発達障がい」があります。原因はまだよくわかっていませんが、脳機能の障がいとして考えられています。小さい頃からその症状が現れるため、早い時期から周囲の理解を得て、適切な支援や環境の調整を行うことが大切です。
4.その子に合った学びの場を提供する
一人ひとりの多様な教育的ニーズに応じて、学校資源や地域資源を効果的に活用したきめ細やかな学びを提供する『インクルーシブ教育システム』の構築を目指し、いろいろな取り組みを行っています。
(1)特別支援学校における教育
特別支援学校では、可能な限り自立し、社会参加ができるよう、障がいの状態や発達段階に応じた教育内容・方法により、きめ細やかな教育を行っています。さらに、さまざまな相談にも応じています。
(2)特別支援学級における教育
一人ひとりの障がいの種類や特性などに配慮し、小・中学校に準じた教育を行う場です。指導内容によっては、通常の学級の子どもたちといっしょに学習や活動を行います。町内には、知的学級、情緒学級、難聴学級があります。
(3)通級による指導
通級による指導では、言語や聴覚、情緒などに困りごとを持った子や、発達障がい(LD、ADHD、自閉症)などの子が、通常の学級で学びながら、週1~3時間程度の専門的な個別指導を受けることができます。町では、LD/ADHD等通級、言語通級を行っています。
(4)通常学級における特別な教育支援
通常の学級に在籍する、困りごとを持った子に対しても、個々の特性に配慮した指導を行っています。
5.おわりに
どの子も笑顔で健やかに育ってほしい。これは、みんなの願いです。そのために、まず「気になること」「心配なこと」は、抱え込まずに相談してください。きっとどの子どもも、どの保護者も、日々の生活の中での「困りごと」を持っているのではないかと思います。町内の各保育園、各小・中学校には、特別支援教育コーディネーターという関係機関との連携や、子どもたち・保護者の相談窓口などの役割を担っている先生がいます。お気軽にご相談ください。子どもが困っていることを理解し、そこからよりよい関わり方をいっしょに探っていきましょう。
(参考)岐阜県教育委員会 特別支援教育の概要
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