県内各市町村では岐阜県の方針を受け、休日の中学校の部活動を「地域クラブ活動」に移行する部活動改革が進んでいます。可児市でも同様の改革を進めるとともに、部活動が現在抱える課題の解決も目指しています。
今回は、可児市が4月から始める、休日部活動の地域クラブ活動化について紹介します。
■4月から部活動の実施体制が変わります
平日の活動はこれまでと同じく顧問の先生による「学校部活動」、休日の活動は地域の指導者による「地域クラブ活動」になります。
なお、中学校総合体育大会(中体連)には「学校部活動」として出場します。
■地域移行の課題
「地域クラブ活動」への移行に伴い、今まで学校で行っていた保険の加入、指導者の登録などを誰が担うかなどの課題があります。
▽保護者会からの声
・保険の手続きなどの負担があり、保護者会だけでは部活動が持続できない
■現在の部活動の課題
「人数が足りない」、「チームの存続が不安」、「やりたい部活がない」などの課題を抱えている部活動があります。
▽生徒からの声
・やりたい部活動が、他の学校にはあるのに自分の学校にない
・部員が足りずチームが組めない。部員が少ないので、来年以降も部活動が続けられるか不安
■「やりたい」スポーツや文化活動ができるように 市は、中学生が「やりたい」活動ができるよう、現在の課題を解決するための仕組みを整えます。
▽地域クラブ活動のポイント(1)
・学校や保護者会の負担を軽減
市からの委託で、一般社団法人可児UNICスポーツクラブ(以下UNIC)が「地域クラブ」の会員登録・管理、指導者登録・管理・報酬支払い、保険加入・事故対応などの各種事務を行います。そのため、4月から部活動を行う生徒は、UNICの会員になる必要があります。
▽地域クラブ活動のポイント(2)
・市全体でチーム編成が可能に
部員が少ない場合でも、他校の部活動と合同チームを組むことで、中体連や各大会に参加できるようになります。
また、自分が通う中学校にやりたい部活動がなくても、他校の地域クラブ活動に参加できるようになります。
■持続可能な環境を市全体でつくる
部活動改革は、始まったばかりです。「やってみる、見直す、修正する」を繰り返して進めていきます。
部活動は、体力や技能だけでなく、先輩・後輩、他校との関わり、地域との交流など多様な学びの場です。今後も、中学生にとって望ましい活動環境の構築を持続可能な形で目指していきます。
■地域クラブ活動の新しい活動パターン
1 市全体でチーム編成
2 他校の地域クラブ活動に参加
■地域クラブ活動QandA
Q:活動場所や備品はこれまでどおり使用できる?
A:部活動を補完する活動であるため、これまでどおり中学校の施設や備品を利用できます。
Q:地域クラブ活動で市の施設を利用する場合、利用料の減免はある?
A:原則、減免します。
Q:経済的負担が増える?
A:UNICへの加入と年会費1,000円が必要です。これは各種事務処理のための費用です。保護者の負担が高額にならないように、指導者報酬と保険料(生徒および指導者)の費用は市が負担し、手続きはUNICで行います。
Q:指導が厳しくなったり練習量の大幅な増加などの心配はない?
A:地域クラブ活動は、学校の部活動を補完する社会教育活動です。そのため、部活動と同じく教育的意義を継承・発展させた活動です。
指導者には指導者講習を実施し、資質向上や生徒の心身の健康管理に努めます。
Q:合同チームの編成は誰が行う?
A:大会への参加は原則「学校部活動」であるため、市が調整を行い、各中学校と協議し、中学校が最終決定します。
■広陵中女子バスケットボール部の皆さんにインタビューしました
・バスケットボールのプレーだけでなく、あいさつなども先輩が後輩に教えて、引き継いでいくことを大切にしています。4月から「地域クラブ活動」が始まると聞いて、他校の子と友達になる機会が増えそうでいいなと思いました。(広陵中2年 可児さん)
・中学校からバスケットボールを始めましたが、コーチがポジションによって個別に指導してくれたおかげで、できるようになりました。部活動に取り組むことで、体力がついたり、試合などで他校の子と交流ができたりしていいです。(広陵中2年 別所さん)
・技術面はもちろん、あいさつや日頃の生活面などの立ち振る舞いも大切に指導しています。また、成功体験を増やすことも大切にしています。「失敗してもやり続ければできる」ことを学んで、卒業後もさまざまなことに挑戦してほしいです。(地域指導者:角平コーチ)
問合せ:文化スポーツ課
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