
三井水源地の原水において、PFAS(有機フッ素化合物)のうち、PFOS・PFOAの値が国の暫定目標値(50ng/L)を超過して検出されていますが、現在は応急対策により、暫定目標値を下回った水を市民の皆さまの元へお配りしています。今号では、市が現在行っている水道水のPFAS対策、そして今後の対策の進め方についてお知らせします。
■現在の対策
◇活性炭入替・モニタリング調査
令和5年10月から、応急的なPFOS・PFOAの濃度低減のため、活性炭による浄化施設を稼働しています。活性炭の除去性能を確認しながら定期的に活性炭を交換することで、現在まで安定して暫定目標値を下回った状態で水道水を供給しています。(下グラフ参照)
◇現在の水道水について、お問い合わせの多い質問にお答えします。
Q.活性炭を通した水道水のPFOS・PFOAの濃度は?
A.濃度の検査は1週間に1回行っています。現在の濃度は、20ng/L前後です。
Q.検査結果はどこで確認できる?
A.検査結果は市ウェブサイト(本紙QRコード)で、ご確認できます。
Q.活性炭の交換頻度は?
A.概ね4カ月に1回交換しています。
Q.使用済み活性炭はどのような取扱をしているのか?
A.PFOS・PFOAは高温で分解されることから、専門の事業者に委託し、焼却処分しています。
Q.三井水源地以外(西市場、小網、笠田、弥平島)の濃度は?
A.6カ月に1回、原水の検査してます。一度も50ng/Lを超えていません。
◇国への要望活動
これまで、環境省や国土交通省などへ、関係機関の連携強化やPFAS除去施設整備への財政支援などについて要望を行いました(これまでの要望活動は、下表のとおり)。
◇PFAS処理技術の情報収集
現在の対策よりも、さらに安定的・経済的な浄化施設を整備するため、PFAS処理技術の性能試験を行う企業を募集しました。PFAS処理技術の開発に取り組む複数の企業からの応募があり、さまざまな試験が行われ、最新の試験結果を得ることができました。それらの結果をもとに、今後の対策を検討しました。
◇専門家による水質改善対策委員会の設置
水質改善対策に関する総合的な調査・審議を行う委員会を設置しました。委員は、国内の最前線で活躍されている専門家で構成され、委員会では、最新の知見に基づき審議を進めています。これまで3回の委員会を開催し、令和6年12月に、新たな対策など(下記・本紙参照)をまとめました。
■今後の対策
委員会において、PFAS処理技術の性能試験の結果を踏まえた中期的対策に関する審議と、将来的な市内全体の水道水の供給体制最適化に向けた長期的対策に関する審議を進めてきました。
◇PFAS除去設備を建設(中期的水質改善対策)
性能試験の結果から、除去性能に優れた「イオン交換樹脂」を用いた円形圧力タンク式の浄水処理設備(本紙参照)を新設します。
それにより、これまで以上に、確実かつ経済的なPFAS除去が可能となる見込みです。
令和7年度に施設整備に関する詳細な検討を行い、その後工事に着手、令和8年度末までの運用開始を目指します。
◇水道水の供給体制の最適化(長期的水質改善対策)
長期的な対策として、新たな水源開発も視野に入れ、将来的な水道水の供給体制の見直しについての検討を行っています。新たな水源地の種別として、河川水、伏流水、地下水、県営水道受水の中から、経済性や維持管理性などを考慮した結果、地下水取水が優位となりました。
今後は、新水源候補地の水質・水量の確認をし、取水から配水に至る各施設の整備や用地の確保にかかる費用、中期的対策の成果などを踏まえ、将来的な供給体制の最適化について検討していきます。委員会での、新水源候補地に関するより詳細な調査や、水源保全についても検討すべきとの提案を受け、引き続き慎重に調査・審議を進めていきます。
◇中期・長期の対策を並行して推進
将来にわたり、安心・安全な水道水を、安定的に市民の皆さんへ供給できるよう努め、今後も水質改善対策を着実に推進していきます。
詳細:
現在の対策について…水道施設課【電話】058-383-7116
今後の対策について…水質改善対策室【電話】058-216-8010
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