■十二社神社の地歌舞伎
深萱の十二社神社の境内にある拝殿には、回り舞台が設けられて農村舞台になっています。回り舞台は、芝居の場面転換をすばやく行うための装置です。床面に円形に切った「盆」を作り、床下の盆の裏に心棒を二か所挿入し、人の力で回します。
農村舞台では江戸時代の末から、お祭りに地元の素人たちが出演する地歌舞伎が行われていました。地歌舞伎は神に奉納するもので、神事の後の男子十二人による「子踊り」に続いて上演されました。最盛期は明治二十年代から三十年代だったようです。戦争中に途絶えていた地歌舞伎は戦後復活しましたが、昭和三十三年の興行が最後になりました。「子踊り」は現在も四月のお祭りに行われています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>