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ふるさとの昔 11

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岐阜県坂祝町

■養蚕(ようさん)
栽培した桑の葉で蚕(かいこ)を飼い、絹糸の原料になる繭(まゆ)を生産する農業です。戦前から輸出用として盛んに行われました。世界恐慌の影響で一時激減しましたが、戦後の高度成長期に再生し、養蚕農家が増えました。坂祝でも昭和30年ころには250戸ほどの養蚕農家がありました。養蚕は農家の貴重な現金収入でした。
卵からかえった蚕は約1ヵ月かけて4回脱皮をして繭になります。その間、新鮮で十分な量の桑を休みなく与え、温度・湿度等の管理をします。蚕が繭を作る前には「蔟(まぶし)」という道具に1匹ずつ移し、約1週間後にできた繭を集めます。養蚕は多くの人手が必要な仕事で、女性や子どもも動員され家族は寝不足になりました。春から晩秋まで何度も(多い場合は5度)蚕を飼う農家もありました。最後の繭を出荷すると農家の人々はやっと安心できました。養蚕に使った道具は川原に運んで洗いました。それらを片付ける頃には秋風が冷たくなっていました。

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