第3回恵那南地区統合中学校準備委員会理事会で承認された基本構想案が、9月12日の教育委員会定例会で可決されました。今回は、統合中学校の基本的な考え方をまとめた基本構想をお知らせします。
■はじめに
学校は、子どもたちが確かな学力を身に付けるとともに多様な人と関わりながら、さまざまな経験を重ねていく中で成長していく場所です。また、人づくりと地域づくりの場でもあり、地域社会の将来を担う人材を育成する場所でもあります。
五つの中学校を統合することで、子どもたちはより質の高い教育環境で学ぶことができます。統合した中学校には五つの地域から生徒が集まることから、多様な考え方とそれぞれの強みを生かすことで、大きな力、新しい力が生み出されることが期待できます。そして、教育活動を通じて一人一人が課題を解決する力を身に付け、身に付けた力を他者や地域に還元することが持続可能な地域づくりにもつながっていきます。
人口が減少していく中で地域の10年後、20年後を考えたとき、恵那南地域を一つの地域として捉え、共通の価値観を持ち、子どもたちを地域全体で育てることが、コミュニティの活性化につながります。
統合中学校は、通うことが楽しい学校、子どもを安心して任せられる学校、教職員一人一人が力を発揮できる学校、地域を愛する生徒を育てる学校を目指します。
■基本構想とは
恵那南地区統合中学校の基本構想は、目指す学校の姿と進む方向性を描いたもので、未来に向けた「羅針盤」ともいえます。
■基本的な方針
◇教育環境の充実
令和10年には、恵那南地区全ての中学校で、全学年が単学級になると見込まれています。中学校では、毎年クラス替えができ、全教科で専科教員を配置するためにも、1学年3学級以上の規模が望ましいと考えます。
▽統合の効果
(1)各学年で3学級
(2)集団の中で多様な考え方に触れ、資質や能力を伸ばせる
(3)集団の中で社会性やコミュニケーション能力が高まる
(4)多様な学習・指導形態
(5)集団で行う教育活動の充実
(6)教職員同士での協力体制
(7)全教科で専科教員を配置
◇地域との連携・協働
統合中学校は、五つの地域に支えられながら、地域を横につなげる役割も担います。
子どもたちの中で「ふるさとのエリア」を広げることで、恵那南地域全体で五つの地域を維持存続させていくという意識の醸成を図ることを目指します。
▽統合のメリット
(1)生徒にも地域にも、新たな発見と力が生み出される
(2)地域ごとの課題や共通する課題に取り組む機会を得る
(3)生徒が身に付けた課題解決力を地域のために還元できる
(4)地域イベントなどに、各地域の生徒の参加が期待できる
(5)文化や伝統芸能の継承に、連携して取り組める
(6)地域に誇りをもたらす象徴として地域の魅力を高める
■大切にすること
◇教育環境の充実
小学校時から交流を進め、五つの中学校の良さを融合します。
また、ICT環境を充実させて最新技術を活用するとともに、図書館などの学習環境を整備します。
校内には、コミュニケーション能力を培えるよう、誰もが自由に利用できるコミュニティスペースを整備します。将来を見据えた教室の活用も検討します。
生徒だけでなく教職員にとっても働きやすい環境をつくり、5校間のバランスの取れた教職員を配置します。また、統合に伴う加配教員を配置するとともに、学習支援員などを充実させます。
◇地域との連携・交流
地域との絆や連携を継続しながら他の地域ともつながる意識を醸成します。
また、地域で多様な学びを行う地域の学習拠点施設を整備します。
◇負担の軽減
長くなる通学時間に配慮し、スクールバスで効率的な通学ができるようにします。
不登校の生徒へのきめ細やかな配慮を行い、地域ごとに学習できる環境を構築します。荒天時など、状況に応じて地域で学習できる環境も検討します。
PTA活動などでも個人負担を軽減します。
◇校舎跡地の活用
統合後の校舎などの跡地活用は、地域の皆さんと共に最善の方法を検討していきます。
◇各小学校との連携
統合中学校は、各地域の小学校と小中の連携を意識した教育活動、PTA活動などを展開していきます。
■学校の目指す姿
このように、統合中学校は、地域コミュニティの中心的役割も担う存在といえます。そこで、統合中学校の目指す姿を「未来をつくる」「人とつながる」「地域とあゆむ」の三つを大きな柱とします。
統合中学校では、地域との連携を密にして、地域を愛する生徒を育てる学校を目指します。
◇地域とあゆむ
・地域を知り、地域を愛する生徒
・地域の歴史や⽂化を学び、地域の魅⼒を知る⽣徒
・地域の⼀員として、考え⾏動する⽣徒
・地域の未来について考え、⾏動する⽣徒
・地域との連携によるふるさと学習
・人・ものと直接触れ合う体験学習
・多様な他者と協働した探究的な学習
◇人とつながる
・人とのかかわりの中で育つ生徒
・自他ともに認め合う⽣徒
・人とのかかわりの中で、自分や集団を高める生徒
・対話と協働のある学習活動
・互いの成長を願い、高め合う仲間づくり
・ICTを活用した遠隔教育
・一人一人に寄り添う教育相談
◇未来をつくる
・夢をもち、努力する生徒
・物事を前向きに受け⽌め、⽬標に向かい粘り強くやり抜く⽣徒
・確かな学⼒、豊かな⼼、健やかな体が将来の礎になることを⾃覚し、ひたむきに努⼒する⽣徒
・深い学びと、学ぶ楽しさのある授業
・課題解決力を育てる授業
・自らの生き方を考えるキャリア教育
・豊かな心、健やかな体を育てる教育
この基本構想を基に、準備委員会で各部会の提案や保護者の意見を聞きながら、通学方法や学校名などの具体的な提案をまとめていきます。
問合せ:教育委員会事務局学校統合準備室
【電話】26-2111(内線466)
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