文字サイズ
自治体の皆さまへ

「輝く恵那人」229人目

36/39

岐阜県恵那市

■恵那を版画のあるまちへ
版画のさまざまな企画に挑戦

木の板に彫刻刀で文字や絵を彫って版を作り、絵の具を塗って紙に転写する版画。昭和20年代から学校教育にも取り入れられていて、市こども版画コンクールには、毎年2000点以上の応募がある。同コンクールで、19年間審査員を務めているのが、版画家の市川彰さんだ。「色や彫り方、構図など、さまざまな表現方法があるので、見ていて楽しい」と版画の魅力を語る。
元々、版画の収集が趣味だった市川さんは、市外の版画会を訪れたことをきっかけに、40歳で版画を刷り始めた。2年連続で市美術展の市展賞を受賞し、全国公募展でも最高賞を獲得。その後、浮世絵版画を収蔵する(公財)中山道広重美術館と(一社)日本板画院の理事に就任した。
「日常を見つめ直すことができる版画は恵那の文化であり、継承していくべきもの」と話し、えなえーるや市民講座でワークショップを開催する他、個展を開いたり、一斎塾ふるさと納税の返礼品に佐藤一斎の名言を刷った木版画を提供したりして、市内外に恵那の版画を広める活動をしている。
来年10月からは、各種の文化活動を全国に発表する「清流の国ぎふ」文化祭2024が開催される。市川さんは、本紙9ページで募集している「ちーオシ」で、恵那のコミュニケーターとして推しの選定やオブジェの製作に携わる。他にも、笑顔を彫った版画を展示する市民運動「笑顔の版画100点」を企画し、版画教室も開催する予定だ。「版画を作る楽しさを知ってもらい、子どもから高齢者までの笑顔で会場をいっぱいにしたい」と意気込みを語る。
「手がかかるけれど、一度彫れば何度でも刷ることができる楽しさと、たくさんの人に贈ることができる良さを伝えたい」と話す市川さんには、版画に対する熱意があふれている。

◆市川彰(いちかわあきら)さん(71歳)(三郷町野井)
▽プロフィル
版画家で福祉大学の非常勤講師。市俳句大会の実行委員長と(一社)みさと愛の会の理事を務める他、NPO法人いわむら一斎塾に所属して佐藤一斎記念館(仮称)の整備事業に尽力している。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU