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「輝く恵那人」223人目

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岐阜県恵那市

■小さな店を交流の拠点に 飯地町で唯一の商店を営む

市内中心部から車を走らせること約30分。曲がりくねった山道を進んだ先に、本年4月にオープンしたばかりの飯地商店がある。日用品や鮮魚などの食料品、酒類を幅広く販売する小さな店。横江美架さんは、この店を運営する株式会社まちづくり飯地の代表取締役を務めている。
ここは元々、二葉屋という別の店舗だったが、3月末で閉店することになった。町民の買い物の場として親しまれ、横江さんも幼いころから通ってきた。「町民にとって、なくてはならない場所。ここで終わらせてはいけない」と店を引き継ぐことを決意した。
しかし、開業するには資格やたくさんの免許が必要だった。「酒類を販売する免許を取得するため、何度も税務署に足を運んだ」と悪戦苦闘した当時を振り返る。開業できるか不安な日々を過ごす中、仲間たちが税務署に提出する資料作成を手伝ってくれたり、地域の子どもや大人たちが壁のペンキ塗りや床の張り替えなどの店舗改装を手伝ってくれたりした。
現在は前の店舗と同じく、店頭販売の他、こども園へ食材の配達をしている。多世代の人に来てもらえるように、扱う商品もさまざまだ。今は、新鮮な食材を仕入れるため、朝早くから市場に出かけて仕入れのこつを勉強している。
店の一角には、木のテーブルと椅子が置いてある。これも、地元の大工が厚意で作ってくれたものだ。ここで、買い物に来た人たちが食事をしたり、子どもたちが絵を描いて遊んだりしている。「性別や年齢、住んでいる場所など関係なく、みんなが気軽に集まり、楽しく交流できる場所にしたい」と目標を語る。いずれは、店舗2階に、まちづくりのためのオフィスを構えたいと考えている。
「小さな拠点から町を盛り上げていきたい」と元気に話す声が、今日も飯地の里山に響いている。

◆横江美架(よこえみか)さん(46歳)飯地町五明
▽プロフィル
飯地町生まれ、飯地町育ち。趣味は、家族できれいな景色を見に行くこと。元々は工場や振興事務所で働いていたが、株式会社まちづくり飯地の代表取締役になり、飯地商店をオープンさせた。

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