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「輝く恵那人」225人目

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岐阜県恵那市

■一日一日を大切に生きる 610首収録の短歌を自費出版
99歳で自身第二作目となる短歌集「遠花火(とおはなび)」を自費出版した西尾冨枝さん。家族のことや日常、旅行の思い出、新型コロナウイルスなどの歌を610首収録している。
短歌との出会いは、小学校6年生のとき。担任から短歌を教わり、作った歌が学校の校誌に掲載されて興味を持つようになった。大人になってからは、子育ての傍ら趣味で詠んでは、新聞に投稿をしていた。
昭和44年に中部短歌会に入会し、本格的に詠み始めた。その他、毎月作った歌を2首ずつ持ち寄って仲間たちの歌から勉強をしたり、アドバイスをし合ったりした。その後、県歌人クラブと草笛短歌会にも入会し、多い月は10首以上詠むときもあった。
88歳で第一作目の「しろがねの馬」を出版。「孫やひ孫に、おばあちゃんがどんな人生を送っているのか知ってほしくて作った」と振り返る。
今は、毎月7首の歌を詠んでいる。見たり聞いたりしたことを詠んだり、幼少期のころを思い出して詠んだりとさまざま。これまでに詠んだ歌は6万首を超える。旧字かなを使うことがこだわりで、電子辞書を片手に常に学ぶ姿勢だ。「未知の毎日だけど、詠むことが生きがいであることに変わりはない」と力強く頷く。
過去には、大病や骨折などで入院をし、5回も手術をした。家族の支えと、絶対に治すというポジティブな気持ちで困難も乗り越えてきた。
そんな経験から生まれた一つの歌が「ささへられ長き道のり一世紀つつしみ生きむたふときいのち」だ。この歌は「遠花火」の最後を飾る歌で、人生とは生まれた時に与えられたものであるから一日一日を大切に生きたいという意味だ。西尾さんは、これからも人生の足跡を歌に託したいと願っている。

◆西尾冨とみ枝えさん(99歳)(大井町学頭四)
▽プロフィル
晴耕雨読の日課で、たくさんの野菜や果物を育てたり、新聞を読んだり、短歌を推敲(すいこう)したりする。元気の秘訣は、野菜や肉と魚を均衡に食べること、趣味を楽しむこと、笑顔で毎日を過ごすこと。

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