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「輝く恵那人」230人目

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岐阜県恵那市

■今できることを生かして
障害者の国体、水泳競技で優勝

本年10月28日から30日にかけ、鹿児島県鹿児島市で特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」が開催された。この大会の25メートル平泳ぎと背泳ぎで優勝したのが古山沙奈美さんだ。
古山さんは、脳や脊髄を浮かべている脳脊髄液が減って目まいや吐き気、倦怠感などの症状が出る「脳脊髄液減少症」という病を患っている。4年前、美容サロンの経営などで多忙だった時に発症した。さまざまな病院を受診するも病名は分からず、会話も難しくなり、ついには寝たきりに。身体の機能や今まで築いてきた能力、キャリアなどが失われて絶望した。しかし「失ったものを数えるのではなく、今自分にあるものは何かを考えた」と当時を振り返る。
病名が判明し治療を始めると、両杖で10メートル程は歩けるようになった。そんな時、ふと水に入りたくなりプールに連れて行ってもらった。歩くことは難しいのに水に浮かぶことができ、自由に動けることがうれしかった。それからは、リハビリ代わりにプールに通うようになった。症状は緩やかに回復し、杖一本で歩けるようになった。「一度寝たきりになると、治療しても自分のように動けるようになることは異例らしい。失ったものに囚われるのではなく、今あるものに感謝して前向きでいることが回復につながった」と話す。
大会に出場する程になり令和5年5月、県パラスポーツ大会春大会の25メートル自由形と背泳ぎで大会新記録を出して優勝。全国大会でも大会新記録を打ち出して優勝した。
現在は、薬の服用を続けて週2日ほど泳いでいる。11月には、夫と共に鍼灸(しんきゅう)と食養生カフェをオープンさせて社会復帰しつつある。「支えてくれた周りの人には感謝ばかり。自分の経験や病気のことを広めることで、同じ症状で悩んでいる人の治療のきっかけになれば」と優しく微笑んだ。

◆古山 沙奈美(ふるやまさなみ)さん(42歳)(大井町上本町)
□プロフィル
幼少期に水泳を習っており、30代では競技に出場したこともある。11月から「鍼灸と食養生カフェ」を開業し、ホームページや看板、店舗内装などを、自らデザインする。

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