■恵那峡の良さを伝えたい 魅力が伝わる店舗を目指して
今年、完成100周年となる大井ダムが作り出した恵那峡。樋口舞(まい)さんは恵那峡で土産物や雑貨を取り扱う店舗「恵川(けいせん)」を営んでいる。
樋口さんは愛知県岡崎市出身。先代の店主である祖母を訪ねて幼いころから店の手伝いをしていた。大学時代は油絵や現代美術を学び修士課程も修了。卒業後は制作を中心に行うアーティストになりたいと考えていた。そんなとき、恵那峡を再度訪れ、恵那峡の再整備がされていたこと、店舗に美術の制作スペースになりそうな場所があったことから、恵川を継ぐことを決意。恵那市に移住した。
店を継ぐにあたり、大学時代に培った美術制作の技術を駆使して、商品棚や床、壁などを約1年かけて改修。令和4年10月にリニューアルオープンした。本年10月で、店は満2年になる。現在は、祖母の代に行っていた飲食業を復活させようと、以前使用していたカウンターを改修中。店の経営をしながら、自らタイル貼りなどの作業を行っている。今後は自身の美術制作の他、店の空いているスペースを利用して、観光客に制作体験をしてもらうアトリエを作ったり、恵那峡のグッズを制作したりしたいと考えている。
樋口さんは大井ダム完成100周年記念実行委員でもあり、会議に参加したりSNSを活用したりして大井ダムや恵那峡のPRにも力を入れている。恵那峡の歴史を知ってもらいたいと、昭和時代のポストカードやキーホルダーなどの土産品を収集中で、「店内を恵那峡の資料館のようにしたい」と話す。
「恵那峡の魅力が伝わるような店舗づくりをしたい」。それが樋口さんの目指すところだ。今後も「恵那峡が好き」という気持ちを大切にしながら、幼いころから慣れ親しんできた恵那峡の良さを伝えるため、店舗の経営を行っていく。
◆樋口舞(まい)さん(28歳)(大井町恵那峡)
□プロフィル
愛知県岡崎市出身。恵那峡公園にある「恵川(けいせん)」の経営を行う。幼い頃から絵を描くことが好きで、美術大学に進学。趣味は昭和時代のグッズや洋服を集めること。
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