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「輝く恵那人」特別号 ~市外で活躍する恵那市出身の方を紹介します。~

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岐阜県恵那市

■良き伝統の保存と継承へ 歌舞伎俳優と恵那観光大使を生かして

1月14日、恵那文化センターで第34回市伝統芸能大会が開催された。市の伝統芸能を動画で紹介する企画でナレーションを務めたのが、山岡町出身で歌舞伎俳優の三代目中村いてうさんだ。ハキハキとした口調とユーモアあふれる言い回しで、会場は温かい笑いに包まれた。
いてうさんの祖父は、地歌舞伎の振付師である故六代目松本団升(だんしょう)さん。「稽古の小道具でごっこ遊びをしていたので、身近に芝居があった」と幼少期を振り返る。国立劇場歌舞伎俳優研修生を修了後、故五代目中村勘九郎さん(18代目中村勘三郎)に弟子入り。さまざまな役を演じたり、教育番組に出演したり、振付指導を行ったりなど、その活動は多岐にわたる。
4月12日(金)には五毛座(飯地町)で開催される「中村勘九郎・中村七之助春暁歌舞伎特別公演2024」に出演予定。「幼い頃からなじみのある五毛座の舞台に、師の追善公演で立てる。そのことに感謝をし、精一杯努めたい」と準備を進めている。
令和2年からは恵那観光大使に就任。市内の芝居小屋を巡業して歌舞伎そのものの魅力を発信するだけでなく、地歌舞伎に取り組む小学校の歌舞伎クラブへの指導も行っている。伝統芸能を継承していくためには、芸能の面白さを知ってもらうことと次の世代に受け継いでいくことが重要。自身の活動を通じ、保存会の人数が増えたと聞いて手応えを感じた。
「地歌舞伎の良さは、誰でも参加でき、舞台に立つことができる手軽さ。地元の芸能や地歌舞伎に恩返しを」と、引き続き伝統の伝承と後継者育成にも力を入れたいと考えている。「自分の歌舞伎と、めれた囃子(ばやし)などの地元の芸能をコラボレーションさせた演目に挑戦したい」と話すいてうさんは、良き伝統に新たな息を吹き込ませようと、前に進んでいく。

◆中村(なかむら)いてうさん(42歳)(山岡町出身)
▽プロフィル
平成13年4月故五代目中村勘九郎さん(十八代目中村勘三郎)に入門。令和5年7月、重要無形文化財「歌舞伎」の保持団体の構成員に認定された。

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