明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
過ぐる令和5年を振り返りますと、コロナウイルス感染症が小康状態を保ち、つちのこフェスタや郷土歌舞伎公演などのイベントも年間を通じて実施でき、アフターコロナ、あるいはポストコロナという言葉で新たな生活様式を求めていく年ではなかったかなと感じております。皆様のご理解とご協力のお陰をもちまして、文字通り大過なく越年できましたことを感謝申し上げます。
明けて令和6年の村政運営について所信の一端を申し上げますと、アフターコロナといえども何事も4年前を踏襲して前に戻していくのではなく、この4年間で大きく変わった国際情勢や国内の環境を正確に把握し、いよいよ私たちが直面することになる人口減少、少子高齢化を背景に、いかに東白川村が生き延び更には発展していくかを探りだしてその対応策を実践して行く年になると思っています。
それといいますのも令和5年になって、これまで東白川村を支えてきた農業、中でも最も深刻な茶業、また林業とこれに関連するローカルサプライチェーンと言われる各事業全体に翳(かげ)りが広がってきたからであります。小売サービス業でもある第三セクターも、お茶の販売を筆頭に低迷している現実があります。景況だけでなく、時代のニーズにマッチした商品を作り出せていないことや、高齢化に伴い事業活動の回復を組織疲弊が思わぬ形で妨げている状況が複数事例出てきております。しかし、新年早々マイナス思考から始めているわけにはいかず、これらを克服するには「新しい価値」の創造が必要と考えています。
令和6年度予算では第六次総合計画の2年度目として、人口減少に果敢に立ち向い、一方で人口規模に合った社会インフラを再整備し、環境保全を考えながら地域資源を活用する取り組みを進めてまいります。
予算編成のキーワードを「新しい価値の創造」としてポストコロナの状況の中で的確に社会的な課題や村民の皆様のニーズを把握し、それらの解決のためのアプローチには既存の価値観に捉われることなく創造的な発想をもって進歩する革新的な技術やデザイン、考え方を導入し、予算編成にあたってまいります。
こうした考え方に立ち最重点項目として
(1)移住・定住促進事業の促進
人口減少を直接的に緩和するための施策として空き家の活用と合わせて引き続き強力に取り組んでまいります。
(2)住民満足度の高い地域公共交通を実現高齢化が進み運転免許を返納する方も増えてきています。白川町と共同で実施している公共交通の確保に合わせ、より便利で使いやすい村内交通網とシステムを構築してまいります。(3)子育て支援の更なる充実
令和7年度からの子ども子育て支援計画に先立って、公立保育園であるみつば保育園を中心に保育や見守りの時間を拡大し、労働力不足の観点からも保護者がフルタイムで働ける環境を整備することを主眼としております。
また、その他の重点施策を挙げれば
・トマト選果場の選果機の更新
・第三セクターの事業支援
・集落営農の推進
・簡易水道の強靭化と管理運営業務の適正運用
などを掲げております。
人口減少と地方財政が厳しいなかで、行政だけではこれらの難関を突破出来ないと考えており、民間の皆様の活力や若い方々の新しい考え方、地域おこし協力隊や移住定住された皆さんの視点からのご意見や活動を支援しながら村づくりを進めてまいります。令和6年は、さまざまな課題に地方が真に適応能力を求められている年になると考えております。
新年にあたり令和6年度の予算編成方針から所信の一端をご説明し、皆様のご理解とご支援を賜りたいと思います。
今年は辰年。昇り龍のごとく明るい未来を信じて邁進してまいります。
皆様のご健勝とご多幸をご祈念申し上げ新年のごあいさつと致します。
東白川村長
今井 俊郎
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