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[特集]里山と人の暮らしを考える。

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岐阜県美濃加茂市

市では、昔のような里山風景に戻し、魅力を再生し、千年経っても変わらない風景を残す「里山千年構想」を掲げ、「里山の整備」「里山の活用」「里山資源の活用」「森づくり」の4つの柱を元にさまざまな取り組みを進めています。
今月と来月の特集では、この「里山千年構想」に基づくさまざまな取り組みについて紹介します。

■里山と人の暮らしを見つめる
昭和40年頃までの里山は、人が生活に必要な資源を得るために出入りし、里山はその生活の中で適正に管理が行われていました。しかし、生活様式の変化などにより里山は放置され、里山を覆う広葉樹は「林齢のピークの60年生」に近づいています。
荒廃した里山は、野生動物の絶好のすみかとなり、農作物被害の増加につながっています。また、放置された里山の林道周辺では不法投棄が増加し、その周辺の里川や農地の水環境への影響が危惧されています。当市においても、総面積の約4割にあたる2945ヘクタールの森林があり、そのうち人工林が約3割、天然林が約7割となっています。
人工林はもともと木材を利用するために植樹されたものですが、間伐の遅れなどにより優良材の生産が困難な状況となっているだけでなく、森林が適切に管理されていない課題も抱えています。
天然林では、里山として利用されなくなったことで高齢化したアベマキやコナラなどにナラ枯れ(カシノナガキクイムシが原因で枯死すること)がみられ、その被害により倒木や枝の落下などの危険がある樹木が増えています。こうしたことから、市では里山を適正に整備・管理し、こうした被害を食い止めるための目的の一つとして、里山資源の活用を進めています。

■暮らしの中に里山の資源を
里山を管理するため、適正に森林の伐採を進めることはもちろんですが、伐採された木々の活用も同時に考えなければなりません。ご飯を炊く、お湯を沸かすといった現代ではボタン一つでできてしまうことにも、昔は里山で取れる資源を使っていました。
さらに、伐採した木はそのままでは使用することはできず、薪(まき)や木製製品にするなどの更なる加工が必要となることから、薪や木製製品、木のおもちゃなどの購入を促すため、市では「里山千年構想推進業務補助金」の活用を推進しています。
こうした制度は、本来の里山の機能を取り戻すための森林づくりや、里山整備により発生する樹木などを資源とした木材利用促進や環境保全に対する理解を深めるための取り組みです。本号4ページの表をご確認いただき、ぜひご活用ください。

■Pick Up 里山千年構想推進業務補助金をご活用ください

申込:申込書に必要事項を記入し、直接農林課へ
※申込書をはじめとする必要な書類など詳細については、事前に農林課へお問い合わせください
※この他、地域住民で行う森林整備で出た木材などの有効活用を目的とした「里山資源活用団体補助事業」も行っています。詳細については、農林課へお問い合わせください

■Information 薪ストーブ用に薪の販売を行っています
「里山千年構想」に賛同いただいた、可茂森林組合(みのかも健康の森の指定管理者)や山之上まちづくり協議会では、薪ストーブ用に薪の販売を行っています。
また、同協議会では、活動の一つに「薪作り」があり、原木の寸法切りや丸太を割って薪にする作業が今月から始まります。薪割りでできた薪は最低でも1年の間乾燥させる必要があることから、来年の冬に使うための準備が進められています。
このように、市の公共施設やまちづくり協議会でも、里山千年構想の趣旨に基づき、薪の販売を行っていますので、ぜひお買い求めください。

▽みのかも健康の森
針葉樹:1束360円
広葉樹:1束600円
※可茂森林組合管内は、30束以上の購入で配送料が無料になります

問合せ:【電話】29-1108

▽山之上まちづくり協議会(山之上連絡所)
軽トラック1台分(約280キログラム)15,000円(広葉樹のミックス)
※別途配送料が2,000円(市内の場合)掛かります

問合せ:【電話】25-2739

※薪ストーブが原因で、煙や臭いなどのトラブルにつながることもあります。どんな薪ストーブでも、本体と煙突が冷えている時には、煙や煤(すす)の発生が起きやすいため、点火する時間が、近隣の家が洗濯物を干す時間などと重ならないようにしましょう
※湿った薪は煙や臭いなどが出ます。最低でも1年以上乾燥させた薪を使いましょう

問合せ:農林課里山再生係
【電話】25-2111(内線335)

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