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みのかもの山、望む山 第1回

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岐阜県美濃加茂市

この地域にあって身近に親しまれている山や、はるかに望む山々について、まつわる歴史や文化を紹介します。

美濃加茂市域は北部を中心に豊かな恵みをもたらす山々に囲まれており、河川とともに、この地の暮らしに大きな影響を与え、風土を形成してきました。最近は山を散策する人も増え、その山頂からは市域にとどまらず、遠方の景色を楽しみ爽快な空気を味わうこともできます。そもそも山々は人々のさまざまな感謝や祈りの場でもありました。そして、この地域の営みは山々に見守られてきたとも言えます。また、歴史に残る出来事の舞台となった山もあります。
この連載では、この地域にあって身近に親しまれている数々の山と、地域からはるかに望む山々について、まつわる歴史や文化を紹介しながら、人と山々の関係性を少し考えてみる機会にしたいと思います。

■御殿山(ごてんざん)
御殿山は美濃加茂市最北部にそびえる市内最高峰(標高559m)です。木々の間を渓谷が走り、各所に険しい岩肌をみせる豊かな自然。その山中の洞穴からは石器や土器などが出土し、太古の昔から人の足跡が色濃く残る場所です。
この山は伝説と信仰の息づく霊山として崇め親しまれてきました。加賀の白山から姫が大蛇とともに飛来し、山頂の館に住んで里人を守ったという蛇姫伝説。これが〝御殿〟山の由来ともいわれ、人々は長くその徳を称えたといいます。山頂の白山神社は明治末期に麓の神社に合祀(ごうし)され、今は小さな社が残りますが、傍らに建つ優麗な碑文はその場所が確かに祈りの地であったことを物語っています。起伏に富んだ景観は、修験者にとっても絶好の修行場だったのでしょう。林道からの登り口に立つ供養塔には、幕末の越中国(現富山県)の行者の名が記されています。
今では山一帯を巡る山道は奥山自然遊歩道として整備され、訪れる人々を魅了しています。近年、「おん祭MINOKAMO」では「大蛇の舞い」が演じられ、伝説が祭りの舞台でよみがえりました。山への祈りは今もそのかたちを変えながら、人々の記憶に残り続けています。

問合せ:文化の森
【電話】28-1110

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