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みのかもの山、望む山 第5回

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岐阜県美濃加茂市

この地域にあって身近に親しまれている山や、はるかに望む山々について、まつわる歴史や文化を紹介します。

■高木山(たかぎやま)
標高342M

皆さんは山に対してさまざまなイメージ…例えばたくましい力強さや包み込むような穏やかさ、時には神秘性のようなものを感じたことはありませんか。その印象を抱かせる山の形は全て、気も遠くなるようなはるか昔、地球の大地の動きによって形成されたものです。
山之上町の北西部にある高木山は、各所に岩肌をむき出しにした市内でも有数の荒々しさをもつ山といえます。それを形づくる岩石はチャートといい、今から約2億年前に放散虫(ほうさんちゅう)などのプランクトンの死骸が堆積してできたもので、赤道あたりの海底で形成されたこの層が当時のアジア大陸まで移動し、造山運動によって地表に隆起しました。今も断層や褶曲構造(しゅうきょくこうぞう)(地層が波のように曲がっている構造)を所々で観察でき、その地殻運動の激しさを物語っています。
近代まで伊深町や三和町では、貝やサンゴの死骸がもととなる石灰岩を産出していたことも、このあたりの大地の成り立ちを考えさせる要因の一つとなるでしょう。

この岩山を支えとして、さまざまな動植物からなる豊かな生態系が構成されています。山頂の尾根や北斜面の岩場などのやせた場所に生育するヒカゲツツジ(市指定天然記念物)は、自生する群落としては県下で特に規模が大きいものです。春には淡黄色のかわいらしい花を咲かせ、麓の川浦川沿いの桜並木とともに里山の風景に彩りを加えています。
現在、高木山の一帯は岐阜県と美濃加茂市によって治山事業の一環で共同整備され、森林レクリエーションエリア「みのかも健康の森」として県内外からも多くの人が訪れるようになりました。自然に親しむさまざまなことを体験しながら、私たちの足元に幾層にもなって積み重なった、途方もない歳月とそのエネルギーについて想像したいものです。

問合せ:文化の森
【電話】28-1110

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