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[特集01]70年の歩み(3)

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岐阜県美濃加茂市

可児:その他にもさまざまな事業を進められました。坪内逍遙(つぼうちしょうよう)大賞やオーストラリアのダボ・リージョンとの交流は今も続いていますが、これらに対する思いもお聞かせください。

川合:坪内逍遙大賞は、若手職員からの提案で市制施行40周年を記念して始まったもので、ここで生まれた逍遙を誇りとして、これまで日本でも各分野の第一人者といえる人たちに受賞してもらってきました。一時期、継続についても議論はありましたが、早稲田大学とともに続けてこられたことは、今振り返るとあらためて市の大きな財産になり、人物を生かしたまちづくりの柱になっていると感じています。
それからダボとの姉妹都市交流については、先々の交流を効果的なものにしようと考え、英語圏で時差の小さいところで提携先を探していたとき、ニューサウスウェールズ州政府に紹介いただいたところから始まりました。今年で35周年になるとのことですが、中学生、高校生の交流に加え、日本庭園の寄贈も行うなど、これだけ長く順調に国際交流が続いている例は、全国的にも珍しいと思います。庭園の中の茶室にある「寿里庵(じゅりあん)」の看板の字は、墨と筆を現地に持って行き私が書かせてもらいました。

可児:「平成の大合併」として加茂郡7町村との合併を計画した際は、最終段階で「市民の声を聞く」という考えのもと、市民意向調査の実施という決断をされました。このあたりの判断についてのお気持ちをお聞かせください。

川合:美濃加茂市は、この地域の中心として、加茂郡町村と合併して圏域を維持するだけの力が十分にあると考えて計画を進めてきましたが、市民の中にもさまざまな意見がありました。市の未来にとって合併は非常に大きな選択となるため、これは選挙と同様に住民全体の思いを明確にする必要があると考え、住民意向調査の実施を決断しました。結果としては、市民は合併を選択せず現在に至っていますが、どちらにしても重要な決定を下すにあたり、市民の意向を確認したことは正しかったと考えています。

可児:最後に、70周年を迎えての美濃加茂市への想いや、市民の皆さんへ伝えたいことなどをお二人にお伺いします。

川合:美濃加茂市は歴史的な面においても、この地域の中心的な役割を果たしてきました。鉄道が3路線交わり、産業や文化交流が活発で、木曽川や飛騨川、さらには長良川水系にも恵まれています。中山道太田宿の時代から、何かを引き付けるような力を、まちが持っているのかもしれません。これからも、この恵まれた土地や環境を生かし、「東海の要」として更なる繫栄を生み出していただければと思います。

藤井:歴史を共有することで、未来を語り合うための多くのヒントが見つかるんだと改めて感じています。
川合さんにお話しいただいたような先人たちの思いやご苦労を、この機会に分かち合えたように、それぞれの地域や企業、集まりにおいてもこういったお話をしていただけたら、と思います。
私自身も、改めてこの地域を支えてくださった方々と過去を振り返り、ともに未来に向かって一歩踏み出していく、そんな一年にしていきたい、と考えています。
本日は、学びの多い貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。美濃加茂市の未来に向けて、今後も引き続きご指導をお願いします。

◆川合良樹 Kawai Yoshiki
略歴:昭和7年10月生まれ。蜂屋村(現在の蜂屋町)出身。昭和26年4月蜂屋村役場入庁。昭和29年美濃加茂市の誕生とともに美濃加茂市職員となる。昭和49年6月社会教育課課長。昭和51年6月秘書課課長。昭和60年10月美濃加茂市助役選任。平成5年9月美濃加茂市市長就任(3期12年)。

問合せ:秘書広報課秘書係
【電話】25-2111(内線236)

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