■意見するのがどれだけ難しいか
今でも私の記憶に鮮明に残っている出来事が起きたのが、10年ほど前、初めて市長に就任した直後でした。それはある子育てイベントに参加していた、元気なお母さんからの一言でした。「男の人ばかりの中で意見するのが、どれだけ難しくて心細いか分かってる?」
私の前ではニコニコお話しされる彼女の一言に、深く考えさせられました。
市役所も時代と共に変わり、全職員の半数以上が女性です。しかし、意思決定や組織を担う管理職の大多数は男性。また、これまでの仕組みを築いてきたのも多くの男性。これは多くの企業や地域でも同じではないでしょうか。
また、男女の格差を示した〝ジェンダーギャップ指数〟の推移を見ると、最近は改善されているのかと思いきや、スコアは横ばい傾向で、順位は下落傾向。2023年に発表された日本の順位は、世界146カ国中125位で、過去最低となっています。
そのような状況を改善しようと、美濃加茂市から女性活躍を推進できないかと平成30年にオープンしたのが〝リオラ〟です。昨今の中学校や高校では、スポーツや調査研究などで全国大会に出場するなど、性別にかかわらず活躍している姿を目にします。時代が変わりつつある中で、私たちはどう生きるのか。未来に向けて問われているのは、若者ではなく、これまでの雰囲気に染まっている大人たちではないでしょうか。
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