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みのかもの山、望む山 第12回

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岐阜県美濃加茂市

この地域にあって身近に親しまれている山や、はるかに望む山々について、まつわる歴史や文化を紹介します。

■御嶽山(おんたけさん)
標高3067М
美濃加茂市の平野部のほとんどの地域から、その雄大な姿を拝むことができる御嶽山。数ある山の中でもひときわ目を引き、「木曾のおんたけさん」として親しまれてきました。
また、冬には白く雪をかぶり神秘的な印象も受けるこの山に対して、人々が古くから祈りを捧げて大切にしてきたことは、市内に残るいくつもの御嶽信仰に関わる石造物が教えてくれるでしょう。

「坂道ほい 自慢じゃないが 畝畝と 御岳さんまで 続いてる 続いてる」
山之上こども音頭(作詞:武藤七郎(むとうしちろう)、作曲:桑原哲郎(くわばらてつろう))は、1949(昭和24)年頃に作られたもの。「遠く眺めると、御嶽山にまで連なるかのように道が続き、辺りにはソバや菜の花の畑が広がっている」という2番の歌詞に詠みこまれたこの光景は、歌とともに山之上で学んだ子どもたちに馴染み深いものでした。現在、小学校の南に建つ石碑は、昭和55年に卒業生が、修学旅行の記念として建てたもの。ここに刻まれるのは、まさにその2番の歌詞で、当時の児童にとってその風景がいかに特別であったかがわかります。この音頭は一旦は途絶えますが、地域の人たちによって再興の取り組みが続けられ、現在でも歌い継がれています。
江戸時代、歌川広重(うたがわひろしげ)が描いた「木曾街道六十九次」のうち「太田」。諸説ありますが、太田の渡しのはるか遠方にひときわ大きくなだらかな山に描かれているのは、御嶽山と考えられます。当時はるばる太田の地を訪れた人々にも、この御嶽山はさぞ大きく、美しく映ったことでしょう。山というものはいつの時代も変わらず私たちの生活の中にあり、変わることなく見守ってきたのです。

※1年間にわたり連載してきました「みのかもの山、望む山」は今回で終了します。本連載を通して、皆さんの周りにある身近な山たちに目を向け、親しみを感じていただけたのであれば幸いです

問合せ:文化の森
【電話】28-1110

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