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特集 第20回 坪内逍遙大賞(3)

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岐阜県美濃加茂市

■坪内逍遙大賞の創設
美濃加茂市は、このような坪内逍遙博士の功績を称え、市民文化の向上を図るため、平成6年度に「坪内逍遙大賞」を制定しました。これは、全国の個人または団体による演劇に関する活動・著作のうち、逍遙博士の功績を再認識させるような優秀な活動・著作を表彰しているものです。
平成19年4月に早稲田大学文化推進部との「文化交流に関する協定」締結以降は、美濃加茂市の「坪内逍遙大賞」と「早稲田大学坪内逍遙大賞」を交互に隔年で実施しており、これまでに、俳優の仲代達矢(なかだいたつや)氏(第7回)や吉永小百合(よしながさゆり)氏(第15回)、北川悦吏子(きたがわえりこ)氏(第17回)など、日本を代表する方々を表彰しています。

■第20回坪内逍遙大賞
第20回坪内逍遙大賞は狂言師の野村萬斎(のむらまんさい)氏に決定しました。萬斎氏は、狂言師として古典の知恵を現代に生かすことを根本としてご活躍されており、古典の技法を駆使したシェイクスピア戯曲の演出や演技に精力的に取り組んでおられ、能・狂言はもとより、現代演劇の出演・演出や、ジャンルを超えた活動に果敢に挑戦する姿勢とその功績は非常に大きいといえます。また、萬斎氏の父で狂言師の野村万作(まんさく)氏は、第5回坪内逍遙大賞の受賞者で、初の親子二代での受賞となりました。
坪内逍遙大賞の授賞式や記念事業は、野村萬斎氏も参加して来年3月に市内で開催する予定です。

◆歴代坪内逍遙大賞授賞者(敬称略)
第1回 六代目中村歌右衛門(歌舞伎俳優)
第2回 島田正吾(しまだしょうご)(俳優)
第3回 加藤道子(かとうみちこ)(女優)
第4回 前進座(ぜんしんざ)(劇団)
第5回 野村万作(のむらまんさく)(狂言師)
第6回 小沢昭一(おざわしょういち)(俳優)
第7回 仲代達矢(俳優)
第8回 四代目 中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)(歌舞伎俳優)
第9回 二代目 水谷八重子(みずたにやえこ)(女優)
第10回 九代目 松本幸四郎(まつもとこうしろう)(歌舞伎俳優)
第11回 観世榮夫(かんぜひでお)(能楽師)
第12回 二代目 中村吉右衛門(なかむらきちえもん)(歌舞伎俳優)
第13回 十五代目 片岡仁左衛門(かたおかにざえもん)
第14回 四世宗家家元 花柳壽輔(はなやぎじゅすけ)(日本舞踊)
第15回 吉永小百合(女優)
第16回 渡辺美佐子(わたなべみさこ)(女優)
第17回 北川悦吏子(脚本家・映画監督)
第18回 白石加代子(しらいしかよこ)(女優)
第19回 松岡和子(まつおかかずこ)(翻訳家・演劇評論家)

◆comment 野村萬斎氏より皆さんへ
明治という日本文化の大変革期に、シェイクスピア作品の全訳という偉業を独学で成し遂げた坪内逍遙先生の名を冠する賞を、第5回で受賞した師父・野村万作に続き、第20回の節目で頂戴することを、大変うれしくありがたく存じます。
文化にはその国々の伝統的アイデンティティーがありつつも、それらの時空を超えたところに存在する普遍にこそ、芸術的真実があると思っています。逍遙先生の偉業はまさにその時空を超えたところにあるのだと思います。
この賞を頂くことを今までの活動へのなお一層の励みとし、さらに日本文化をアップデートし、世界に発信していきたいと思います。
狂言師 野村萬斎

▽プロフィール
野村 萬斎(のむらまんさい)
1966年生まれ。狂言師。祖父・故六世野村万蔵(のむらまんぞう)及び父・野村万作に師事。重要無形文化財総合指定者。3歳で初舞台。東京芸術大学音楽学部卒業。「狂言ござる乃座」主宰。国内外で多数の狂言・能公演に参加、普及に貢献する一方、現代劇や映画・テレビドラマの主演、舞台『敦-山月記・名人伝-』『マクベス』『子午線の祀り』「能狂言『鬼滅の刃』」『ハムレット』をはじめ、古典の技法を駆使した作品の演出など幅広く活躍。現代に生きる狂言師として、あらゆる活動を通し狂言の在り方を問うている。

問合せ:美濃加茂市 市民協働部 文化振興課(みのかも文化の森)
【電話】28-1110

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