文字サイズ
自治体の皆さまへ

[特集]美濃加茂市消防団 不変と変遷(1)

4/55

岐阜県美濃加茂市

災害や火災が発生すると、地域をよく知る消防団員たちが市民の皆さんの安全を守るために活動します。
予測できない災害の発生に備え、日頃から訓練を積んでいる消防団ですが、社会や住民意識の変化などから団員の確保が難しくなる一方で、災害が多発する近年、あらためてその重要性が注目されています。
今回の特集では、消防団が発足当時から変わらず大切にしていること(不変)と時代の流れに合わせ変わってきたこと(変遷)を紹介します。

■自分たちの街は自分たちで守る
美濃加茂市消防団は、「自分たちの街は、自分たちで守る」という郷土愛護の精神に基づき、地域に密着した消防機関として、昭和31(1956)年に市内各町村消防団を統合し、結成された組織です。現在は、市内の地域ごとの各分団(7分団)と機能別分団(メディカル部、女性消防部、消防音楽部)の293人(定員)で組織されています。
普段は、それぞれの職業で活躍されている人たちが、災害や火災が発生すると、消防団員として自分たちの地域を守るために現場に駆けつけてくれます。火災時の消火活動はもちろんのこと、地震や風水害といった大規模な自然災害が発生した際にも、救助救出活動や避難誘導、危険箇所のパトロールなどを行い、市民の生命と財産を守っています。
また、災害の時だけでなく、行方不明者の捜索や年末の特別警戒活動、火災予防の啓発活動、地域の防災訓練を始めとする各種行事への参加など、地域に密着した活動を幅広く行っています。
いつ何が起こっても迅速に対応ができるよう、また地域住民防火・防災意識が高くなるよう、消防団は日々、活動をしています。
実際の災害・火災現場などを見てみると、昭和58(1983)年に美濃加茂市で発生した木曽川の氾濫(9.28災害)では、消防団員が浸水した地区の建物から市民を救助する姿がありました。また近年では、令和6年10月1日に古井地区で発生した火災で、早朝にもかかわらず、多くの消防団員が可茂消防事務組合の消防隊員らと連携し、消火活動を行いました。建物は焼失してしまったものの、近隣への延焼を防ぐために尽力しました。
このように、消防団員は皆さんの財産を守る「地域防災の要」としての役割を担っています。

■時代とともに変わりゆく姿
地域防災の要として重要な役割を担う消防団ですが、働き方や地域コミュニティの希薄化、生活様式の変化などの社会環境の変化に伴い、各地区における団員の確保が難しくなってきています。
一方で、地球温暖化による影響によって全国各地で発生しているゲリラ豪雨や、近いうちに発生する可能性があり、東海地方にも甚大な被害をもたらすと言われる南海トラフ巨大地震などの自然災害に備え、消防団が求められ、果たす役割は、ますます重要になってきています。
こうした状況の中、有事の際に重要な役目を担う消防団の訓練の在り方や団員の待遇の見直しが行われています。
例えば、消防団の代表的な活動であり、基本的な消火活動で必要となる動きや器具操作を学ぶ「操法大会」については、規律やスピードなどを求めて競技になってしまうような審査項目を減らしました。これにあわせて操法大会に向けた訓練日数なども削減しています。代わりに、災害・火災現場で必要となる、「大規模火災想定訓練」を可茂消防事務組合や加茂警察署などと連携を図って実施しています。これまで春先に実施していた規律中心の訓練は、火災現場で消火活動ができるように機械器具操作などを確認する訓練に変更しました。この他にも、市民トリアージの実施やチェーンソー講習会を実施するなど、より実践的な消防技術や知識の習得を目指すことに注力するようになっています。

団員の待遇においては、団員の年額報酬や出動手当ての支給方法や支給額を見直すことで、団員個人やその家族に対して消防団活動の理解を図っています。これ以外にも、団員の負担を軽減するために時代の流れに沿った変化をし続けながら、「自分たちの街は、自分たちで守る」ため、消防技術の向上や地域コミュニティの強化に努めています。
家族そして地域を守っていくため、入団を希望する人や少しでも関心のある人は、地元の消防団員または、市防災安全課へお気軽にご連絡ください。お待ちしています。

■社会環境の変化に伴い、変わっていく消防団
▽過去 これまでの消防団の活動イメージ
・厳しい訓練
・長期間・長時間にわたる訓練
・行事には団員全員が参加

▽現在 現在の消防団活動の意識や内容
・操法大会の内容の見直し
・災害に備えた、より実践的な訓練
・団員の待遇改善

■実際の活動内容の例
・火災現場を想定した実践的な訓練を導入
・消防署や警察署と連携した想定訓練を実施
・消火活動に必要な機械器具の操作を学ぶ訓練を実施
・地域の防災訓練に参加し直接地域に安心を届ける

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU