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【市長のコラム】愛Cityはしま 第108回

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岐阜県羽島市

■「認知症との向き合い方」
羽島市長 松井聡

認知症は様々な脳の病気により、神経細胞の働きが低下。記憶や思考、判断力等が衰え、日常の生活に支障を来す状態をいいます。
我が国では高齢化の進展とともに、認知症になる方が増加しています。2012年には、高齢者(65歳以上)の方7人に1人が発症していました。最近の調査では、2025年には高齢者の5人に1人が、認知症になるとの推計が出されました。
認知症には、65歳未満で発症する「若年性認知症」もあります。もはや認知症は、誰にとっても無縁ではない病気です。認知症予防は、認知症にならない対策ではなく、認知症になるのを遅らせる。認知症になっても、緩やかな進行に導くという方針が定められています。
認知症には種類があり、症状の進み方が異なります。認知症患者の7割は、アルツハイマー型です。アルツハイマー型認知症では、脳に異常なたんぱく質がたまり、脳神経細胞の数が減少していきます。
これまでアルツハイマー病に対しては、治療法の決め手がありませんでした。しかし、同病の進行を遅らせる薬が開発され、年内にも国内で使用される見込みが立ちました。今後は、処方時期や薬価等の問題を整理し、速やかな対応が図れる体制整備が求められます。
治療法の推進とともに欠かせないのは、認知症に関する正しい認識です。認知症にかかったら「何もできなくなる」といった誤解や偏見が、今もあります。実際は、認知症の症状は一律ではありません。各自の症状に応じ、出来る力を活かした社会参加の機会を見出すことが肝要です。
認知症に関しては、家を出たまま帰宅できなくなる事例も少なくありません。2022年、認知症の方の行方不明者は1万8709人で、過去最多でした。そのうち多くの方は無事に見つかりましたが、お亡くなりになった方も491人でした。
今年の国会では、認知症基本法が成立。政府に施策推進本部の設置を求め、基本計画の策定が義務付けられました。認知症との共生社会づくりには、一人ひとりの理解と協力が必要です。認知症についての学びを拡大し、自分ごととして認知症と向き合いましょう。
我が国には、100歳以上の方が約9万人おみえになります。羽島市でも8月末時点現在で、22人の方が百寿の人生を過ごされています。人生の後半戦が長くなった現代では、健康状態の変化に耐えられなくなることが、リスクとなります。
人生100年時代。認知症への健康不安に打ち勝ち、記憶力の低下にはデジタル機器等も活用。新たな興味につながる情報や、出会いの機会につながる発信にも挑戦されてはいかがでしょうか。

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