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【市長のコラム】愛Cityはしま 第107回

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岐阜県羽島市

■「初歩、人為的ミスでDX滞る」
羽島市長 松井聡

マイナンバーカードの手続きを巡り、トラブルの発覚が相次いでいます。このままでは制度への不信感が高まり、デジタル改革に後れを来たします。
6月にはマイナンバーカードを使って、他人の年金記録が閲覧できるという問題が、地方職員共済組合で発覚。年金情報とのひも付けにおいて、入力ミスが発生した可能性があると報じられました。
年金記録は、マイナンバーの個人向けサイトであるマイナポータルを通じて把握できます。マイナンバーカードを利用して本人認証を行えば、年金記録の表示が可能となります。他人の年金記録が見られる状態になったのは、誤った入力が原因であると思われます。
その他にも給付金の受取口座が、本人以外の家族にひも付けられた。マイナポイントが他人に付与された。マイナ保険証に、別人の情報がひも付けられた。コンビニエンスストアでの証明書交付で、トラブルが生じた等の事態が公表されました。
それらの大半の事態は初歩的、人為的なミスによるものです。誤った登録を、検証システムで自動チェックする機能強化や、人の力を介しない登録システムへの移行の促進を図るべきです。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化は、法律化されました。2024年秋には、従来の保険証は廃止となります。デジタル改革の目玉ともいえるマイナ保険証移行を円滑に進めるためにも、これまで起きたトラブルの鎮静化を進めなければなりません。
一連の混乱は、行政・医療等の関連情報処理を、一斉にデジタル化しようという過渡期に発生しました。今後、的確な手順によって、手入力等による情報処理プロセスが廃止されれば、今回のようなトラブルは回避できます。
年金情報や健康保険証のひも付け誤りは、手作業による入力ミスによるものです。大半は同姓同名者の混同が原因であり、氏名以外の性別や生年月日、住所等の確認が不十分であったためです。公金受取口座の誤りは、窓口端末で口座登録をされた方がログアウトをせず、次の方がそのまま登録手続きをして発生したものです。このトラブルの原因は、公金受取登録サイトの手順設計に甘さがあったためです。
2024年度には、戸籍と住民基本台帳の「氏名」に、読み仮名を含める改正法の施行が予定されています。マイナンバーカードの紛失を心配される方には、カード機能をスマートフォンに搭載する方策も検討されています。マイナ保険証には、薬の重複処方を防ぐ効果も期待されます。電子カルテの運用開始により、同意に基づいた情報も活用されます。
国には、デジタル化による社会全般の効率化を図るため、信頼確保とこれまで以上の丁寧な説明を求めます。

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