■心は温かく
広報アドバイザー(元中日新聞記者)西尾 敏正
「生きるということむずかしき夜寒かな」。浅草の支局にいた頃、浅草神社境内で見た句碑の言葉が身に染みる。劇作家・川口松太郎の作。生きるということはどの時代でもそうなのか
新年明けに「能登半島地震」と航空機の衝突事故。日に日に被害が拡大し胸がふさがる。そう感じている人は多いに違いない。新年の挨拶で誰も口をついて出る。「元気に頑張って」は重い。せめて温かい気持ちに触れたいのが人情だ
不二羽島文化センターで、1月初めに開かれた「二十歳のつどい」。市内の小中学校を卒業した7割超の542人が参加。5年ぶりの再会だった。中学校区別交流会では「会いたかった」「かわいい」と晴れ着姿をほめ合いハグ、まっすぐな姿に心が和んだ
恩師の言葉も温かかった。「助けを求められるようになりましょう。しんどかったら言ってください。言われたら助けてあげてください」。ふさがれた胸がふと開いた。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>