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市長のしあわせコラム

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岐阜県関市

■まっすぐに。Vol.110
9月21日をもって、12年間の市長の任期を終えます。市長に就任して2年目40歳のときに、岐阜新聞の「素描」に書いた最終回の文章を掲載します。
「必ず隣あり」
一昨年9月に市長に就任してから、1年半がたった。日々、大小問わず多くの判断をしているが、その基準はシンプルだ。関市のためになるか、市民のためになるか、という観点のみ。「今現在」だけでなく、たとえ今は批判を受けても、子どもや孫の世代の「将来」も考えて結論を出す。自分の評判を高めようとか、私欲を得ようという邪念がなければ、正しい判断が下せるはず―いつも、こう天に祈っている。
私たち人間に人柄や品性を表す「人格」があるように、市にもそれぞれ「市格」がある、と思う。それを誰が作るか、と言えば、それぞれ地域に暮らす住民一人ひとりしかいない。そして、市長である私の全人格が、市役所職員に、そして市全体に影響を及ぼす。大袈裟かもしれないが、私はそう信じている。
市立関商工高校の校長室に「必有隣」と書かれた額があることを、議員時代に教えてもらった。
「徳は孤ならず、必ず隣あり」
という論語の言葉だ。報いを求めず陰徳を積む者は、決して一人ぼっちではない。必ず誰かがどこかで見ていて、協力をしてくれる、という意味である。
人間の命が必ず尽きるように、政治家としての命を終えるときがくる。それがいつなのか、自分でも分からない。しかし、虚栄心が生まれ、「必ず隣あり」と信じられなくなったら、自ら幕を下ろすときだ。逆に言えば、そのときが来るまで、いつも夢を持ち、前を向き、真摯に、元気に、日々チャレンジを続けるつもりだ。
この道を行く。まっすぐに、ただ、まっすぐに。
12年間、まっすぐに走り続けてこれたのは、市民の皆様のお支えがあってこそ、です。心から感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

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