近年、激甚化・頻発化している災害。被害をできる限り小さくするために、一人一人が取り組む「自助」はもとより、地域や身近にいる人同士が一緒に助け合う「共助」が必要とされています。今回の特集では、地域が一体となって防災力を高めようと取り組んでいる活動を紹介します。
■楽しみながら学ぶ防災
地域の催しと同時に防災の知識を学んでもらう取組が広がっています。西部地区では西部ふれあいのまちづくり推進委員会が、地域の一体感を高めてもらおうと「西部ふれまち元気・防災フェスタ」を開催しました。小金田中学校や金竜小学校、消防団とも連携して幅広い世代の住民参加のもと、イベントを楽しみながら防災を考える機会をつくりました。
・炊き出し体験
・防災講演
・はしご車展示
・防災士によるパネル展示
■自ら行動し、助け合う「避難所」
《田原地区》
田原地区では田原みらいづくり協議会が中心となり、10月27日に田原地区避難所開設訓練を実施しました。地域住民や民生委員、赤十字奉仕団員、自主防災会、社会福祉協議会、消防団員など約70人が参加し、避難所の運営や施設管理の訓練とマニュアル作りを行いました。
田原みらいづくり協議会 安全・安心部会長
谷尾勝之(たにおかつゆき)さん
◆防災意識の高まり
田原地区では平成30年7月豪雨を機に地域住民の防災意識が高まりました。自主防災会からは「役割は決まっているが、具体的にどう動けばいいかわからない」という意見がありましたが、マニュアルなどは何もできていない状況でした。そこで、避難に関する勉強会や避難所運営ゲーム(HUG)を行い、防災に対する知識を学び、理解を深めていきました。
◆机上の訓練から実践的な訓練へ
今回の避難所開設訓練は避難所の運営や施設の安全確認を重点的に行いました。避難所開設の流れや避難所のルールづくりを考えるとともに、「避難所運営マニュアル」の作成にも取りかかりました。完成までにはさまざまな課題があるので、引き続き田原地区一丸となって作成を進めていきたいと思います。
◆田原で取り組む共助
訓練を終えて、参加した人の中から「マニュアルが完成する前に災害が発生したらどうするんだ」と厳しい意見がありました。確かにその通りだと思います。マニュアルがあれば避難所開設がスムーズになり、誰でも対応方法がわかるようになります。これからもあらゆる世代が一緒になって防災力向上に向けた取組を進め、共助の力を高めていきたいと思います。
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