◆ニッケン刃物株式会社
業種:製造販売業
〈親族内承継〉
・熊田幸夫さん
・熊田祐士さん
〈事業承継までの流れ〉
平成26年祐士さん入社
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平成30年老朽化に伴い新社屋完成
同時に事業承継完了
「ニッケン刃物株式会社」はキッチンバサミや布切バサミなどの刃物製品をはじめ、日本刀型ペーパーナイフや人気アニメなどとのコラボレーション商品を手掛ける会社です。
昭和21年に創業して今年で78年目。「ニッケン刃物株式会社」は幸夫さんが父から引き継ぎ、平成30年に3代目の祐士さんに事業承継しました。
祐士さんは2人兄弟の次男。誰が後を継ぐのか決まっていない中、兄が結婚して関東に家を建てたことがきっかけとなりました。当時大学卒業後から大手企業に就職していた祐士さんは関市に戻ってくることを決意し、平成26年に入社しました。その後平成30年に新社屋の完成に伴い事業承継が完了しました。
会長となった幸夫さんは「私が担当していた取引先はほとんど引き継ぎましたが、昔から長年懇意にしている4〜5社は現在も直接担当しています。長年かかわりを持ってくださったお客さんをなくしたくないな、と思いますね」と、承継して5年が経過した今でも事業に携わります。
祐士さんは「引き続き取引先とのかかわりを大切にしつつ、若い人にここで働きたいと思ってもらえるような会社にしていきたいと思っています。22年後の100周年まではがんばりたいですね」と意欲を語りました。
◆株式会社シバタ→株式会社シバタ文具
業種:小売業など
〈親族内承継(事業譲渡)〉
・柴田潔さん
・船木ひとみさん
〈事業承継までの流れ〉
知り合いに相談
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商工課・セキビズ※に相談
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令和5年度 関ビジネスプランコンテストに応募・入選
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令和6年9月 事業承継完了
※セキビズ…関市ビジネスサポートセンター
地元の文具店として長年弥生町に店を構える「デスクサイドシバタ」。ある時、経営者の潔さんから「次の8月に会社を閉めようと思う」と家族へ話がありました。
これを聞いた3人きょうだいの末っ子ひとみさんは「お店がなくなる? 兄や姉が継ぐことは現実的ではない。だったら私がやろう!」と思い立ちました。「お店の文化」を繋げ、新たな魅力をつくるという強い思いを原動力に事業承継に向けて動き出しました。
ひとみさんが事業承継を進めるきっかけになったのは「令和5年度関ビジネスプランコンテスト」でした。姉からの勧めですぐ応募を決め、商工課やセキビズに相談しながらコンテストの準備に励み、起業・創業女性部門で受賞を果たしました。
昭和23年に祖父がリヤカーで日用品を届け始まった店のルーツをたどるように、各地に〝移動文具店〞として出店。また、倉庫オープンデーなどの新しい事業も計画しています。「文具の価値が変わった今、ファッションと同じように文具が自分を表現するアイテムの一つになる。素材、企業の取り組みにも着目して文具を提供できたら」とひとみさんが話す横で潔さんは穏やかな目で見守っていました。
祖父や伯父の正広さん、父の潔さんが長い歳月をかけて培ってきた地域との信頼やつながりが3代目ひとみさんに引き継がれていきます。「父たちの仕事に最大限のリスペクトを込めて、今の私だからできる新しいお店の魅力を作っていきますよ」といきいきしながら語りました。
◆有限会社クリーニングおかだ
業種:クリーニング業 生活関連サービス業
〈第三者承継〉
・岡田龍二さん
・矢野賢治さん
〈事業承継までの流れ〉
令和4年11月矢野さんから岡田さんへ承継したいと伝える
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取引先金融機関に相談
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セキビズに相談
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令和6年9月 事業承継完了
「(有)クリーニングおかだ」はお客さんのニーズに寄り添って仕上げをするクリーニング店です。
岡田龍二さんは2代目。岡田さんのお父さんが立ち上げた会社を自分の代でなくすのは惜しい、足繁く通ってくれたお客さんのためにも「(有)クリーニングおかだ」の名前を残したいという思いがありました。そんな中現れたのが矢野さんでした。
矢野さんは偶然、共通の知人から岡田さんの話を聞き、すぐに岡田さんに会いに行きました。そして直接事業承継したいこと、自分のやりたいことを岡田さんへ伝えました。
岡田さんには譲れない条件が3つありました。「クリーニングおかだ」の名前はそのまま受け継ぐこと。岡田さんが65歳を迎える今年9月1日に事業承継を完了させること。父親の代から続けてきた「お客さん一人一人のニーズに合った仕上げ」を承継すること。矢野さんは現地で働きながら学び、「(有)クリーニングおかだ」の後継者となりました。
矢野さんはこれまでの店舗営業に加え、ハウスクリーニングなどの新しい事業に取り組み、岡田さんが築いてきた会社を引き継ぎます。「このまま会社を引き継いでくれるのはうれしい。本当にいいめぐりあわせだったと思っています。今後の活躍に期待しています」と岡田さんは語りました。
■市の補助制度
《関市事業承継支援事業補助金》
後継者が不在の中小企業がMandAにより事業承継を行う経費に対して補助金を交付することで円滑なMandAを促進し、市内企業の事業継続および活性化を支援します。
まずはここから
▽事業承継の相談窓口
事業承継をスムーズに行うには、十分な準備と時間が必要です。何から手をつけたらいいのか、何をしたらいいのかなど、お気軽にご相談ください。それぞれの事情に合った専門機関にお繋ぎします。
・ セキビズ
【電話】23-3955
・ 関商工会議所
【電話】22-2266
・ 関市西商工会
【電話】46-3631
・ 商工課
【電話】23-6752
・ 関市東商工会
【電話】49-2661
・ 岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター
【電話】058-214-2940
・ 各種金融機関
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