■「家族の絆 愛の詩」 受け継がれる絆
◇クマゼミのクミ
※作品は本紙またはPDF版をご覧下さい。
◇あたたかな眼差し
この詩は、養老町が今年度募集した「家族の絆 愛の詩」の【小中学生の部】で最優秀賞を受賞した、町内小学二年生田中海翔さんの作品です。この詩は、あたたかな眼差しであふれています。
まず、海翔さんのクマゼミへの眼差し。海翔さんは弱っているクマゼミを見つけ、家に連れて帰ります。何とか元気に生きてほしくて、クマゼミの「クミ」の様子、その些細な変化にも気を配り、自分にできるかぎりのことをしようと行動する姿には心打たれます。ここには命への畏敬の念が感じられます。
また、母親の海翔さんへの眼差し。懸命にお世話をする海翔さんをそばで見守り、悲しい結果になったときにも、励ましの言葉をそっとかけます。一緒になってクマゼミの「クミ」のお世話をし、一番近くで海翔さんを見守っていた母親のこの言葉は、きっと海翔さんに響き、その心を優しく包み込んだことでしょう。
そして、海翔さんの家族への眼差し。海翔さんは、この出来事をきっかけに、命のかけがえのなさを感じるとともに、今目の前にある家族の大切さをも実感しています。家族の健康を願う海翔さんのこの家族への眼差しは、まさしく母親が海翔さんに向けた眼差しのあたたかさであるとも言えそうです。このあたたかな眼差しこそが、相手への思いやりにつながり、人権尊重の精神を育む基盤となるのだと思います。
◇受け継がれる絆
「家族の絆 愛の詩」には「過去から現在、そして未来へ『親孝行の心』を受け継いで…」という言葉が添えられています。今回ご紹介した詩には、まさに家族のあたたかな眼差し、そして、あたたかい心が受け継がれていくその瞬間が描かれていたように思えます。あたたかい気持ちは、あたたかいつながりをつくり「絆」となります。これは、家族だけでなく地域でも同じです。地域のあたたかい心が、あたたかいつながりや絆をつくり、それが地域の将来を担う子どもたちへと受け継がれていく。そして、今度はその子たちが、それを次の世代へと引き継いでいくのです。
来年度、「家族の絆 愛の詩」は「清流の国ぎふ」文化祭2024の行事の一つとして開催され、25回目の節目を迎えます。
養老町の魅力が発信されると同時に、あたたかいつながりや絆が、養老町から全国へ、そして世界へと、今後一層広がっていくことを願ってやみません。
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