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自治体の皆さまへ

シリーズ人権 みんなで考えよう。人が人らしくいきるために…

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岐阜県養老町

つながり~家族の絆~

■「家族の絆 愛の詩」の取り組みの経緯
本年度は、4月22日から7月5日まで「家族の絆愛の詩」の募集をしています。2カ月が経ち、多数の作品が集まってきています。今回で、25回目を迎えますが、第1回目は平成12年度に募集がスタートしました。この「愛の詩」の募集事業が始まったきっかけは、「親と子」の在り方を見つめ直し、孝子伝説と関わらせて「親孝行のまち 養老」を地域に広めていこうと考えられたからです。そして、募集を重ねるうちに、「親と子の在り方」から「家族」に関わる詩が多く集まるようになり、現在の形になりました。今年度は、「清流の国ぎふ」文化祭2024と合わせ、さらに多くの人に、「親孝行のまち 養老」を知っていただき、「家族の絆」について考える機会が増えることを願っています。

■家族と人権
家族は、人間が生まれ育つ最初の集団であり、自分以外の他者と出会う場です。家族の中で人権が尊重され、支え合いが育まれることは、社会全体の人権意識を高める基礎となります。「家族の絆」について考えることは人権感覚を磨くことにつながるのです。
昨今、家族も様々な形が見られるようになりました。皆さまは「家族」と聞くとどんなことをイメージしますか。例えば、両親がいて、祖父母がいて、兄弟姉妹がいて、結婚していて…と〝つながり〞として考える人もいるのではないでしょうか。そこで、〝家族のつながり〞という視点で、大切なことは何なのか考えてみました。

■”家族のつながり”とは
の1月に起こった、能登半島地震。私の友人は、被災し、しばらく実家に住んでいる両親と連絡が取れない状態が続き、夜も眠れなかったと話してくれました。後々、近所の人との会話から、両親が無事であることを知ったのですが、「何かあったら…。」と不安が常に頭の中にあったそうです。両親のことを〝想う〞からこその不安です。
さらに、ニュースにもなりましたが、地元の子どもたちは、学習する場がなく、集団避難をする時にも様々な葛藤があったといいます。家族や地域が大変な中、「自分だけが、避難してよいのか。」「自分が避難することで、家族が少しでも安心してくれるのではないか。」余震が続く中で、大人も「少しでも安心して生活してほしい。」「大変な時だからこそ、目の届く範囲で生活してほしい。」など様々な思いの中で、集団避難の可否を判断されました。非常時の中、互いのことを想う温かさと、互いのことを考えるからこその葛藤です。
私自身、大学生の時に石川県の実家を離れ、岐阜県に就職しました。中学時代から、部活に明け暮れ、家族とどこかへ旅行へ行ったり、しっかりと会話したりした記憶はなく、家族の関わりとしては希薄だったような気がします。そんな中、最近じっくりと話し合う機会がありました。両親に対して、私の正直な気持ちを伝えるのは初めてでした。また、両親の思いをじっくりと聞くことも初めてでした。〝思いを言葉にして伝えること〞は大切だと分かっているのですが、何かのきっかけがないと難しいと改めて実感しました。

■”つながり”と”愛”
今、自分が在るのは、両親がいて、その両親にも親がいて…というこれまでの脈々としたつながりがあるからです。しかし、互いのことを考え、思いやるからこそ紡ぎ出される言葉や行動が〝家族のつながり〞として大切なのではないでしょうか。4月にご逝去された詩人、冨長覚梁先生が「家族の絆 愛の詩」の取り組みに願われた家族の中で養われる〝愛〞。これこそ人を大切にする心根であり、人権尊重の根本です。
募集も残り1カ月です。詩をとおして、普段口にできない思いを言葉にすることで、「家族の絆」について考えていただけるとありがたいです。

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