■天の川銀河の中心
夏から秋にかけて、空が暗い場所では天の川が見頃となります。肉眼でも白っぽく見えますが、その正体は恒星やガス、チリの集まりです。恒星は太陽のように自ら光輝く天体ですが、天の川にある恒星は非常に遠くにあることから、肉眼では恒星と認識できません。しかし、数千億もあるため、ぼんやりと光っているのです。
写真は、いて座付近の天の川を美星天文台で撮影したものです。数えきれないほどの恒星で白くなった部分もありますが、黒い帯状の部分もあります。これは、ガスやチリによって、その背後にあるはずの無数の恒星の光が隠されているのです。恒星の数もさることながら、それを覆い隠すほど大量のガスやチリもあるのが天の川です。
これらのガスやチリの中では、新たな恒星が生まれています。写真で赤っぽくなっているところで、このような天体は星雲と呼ばれます。また、星雲の中には一定の時間が経つと、数百の密集した恒星の集まりである、星団となります。
これから天の川のシーズンを迎えます。肉眼で天の川を、望遠鏡で星雲や星団を、美星天文台でお楽しみください。
案内役 美星天文台技師 前野将太
美星天文台のホームページ【HP】https://www.bao.city.ibara.okayama.jp/
【メール】info@bao.city.ibara.okayama.jp
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