■2024年の大彗星?
「一年の計は元旦にあり」とも言われますが、2024年の天文現象で注目度ナンバーワンは、10月に見られると予想されている「紫金山(しきんさん)・アトラス彗星」でしょう。この彗星は2023年初頭に中国にある紫金山天文台と、南アフリカのアトラス望遠鏡で発見された彗星で、今年9月に太陽に最接近すると考えられています。この時の予想されている明るさはなんと最大でマイナス4等級!金星に匹敵する明るさで、肉眼でもばっちり見えることが期待されています。北半球でこれほど明るく見える彗星は1997年のヘール・ボップ彗星以来。ただし、彗星の明るさ予想は天気予報並みに難しく、もしかしたらそんなに明るくならないかも…。それでも準備は大切です。予報通り明るくなることを期待して、ぜひ世紀の大彗星へ備えてみてください。この彗星を観察するうえで重要なことは場所選び。最も明るい10月ごろは、西から南側の地平線まで見えるような空の開けた場所がベストとなります。
案内役 美星天文台技師 伊藤亮介
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