■先人から受け継いだ建物を利活用しながら守りたい!
歴史ある酒蔵を未来につなぐ 山成芳直(やまなりよしなお)さん(60歳)=(芳井町)=
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▽家訓は“協和”
3月に国の登録有形文化財に登録された山成酒造(芳井町)の建物。山成酒造社長で第14代目当主として酒蔵の指揮を執る山成さん。「建物の材料は、高級なものを使っていませんが、明治時代に建築した職人が丁寧に施工され、現在に残っていることが評価されたと思っています。また、この酒蔵は、渋沢栄一(しぶさわえいいち)や阪谷朗盧(さかたにろうろ)の交流の場と言われていますので、歴史も振り返っていただきたいですね。約150年続く建物を、先人たちが“協和の精神”で守っていただいたことに感謝しています」と語ります。
▽和醸良酒
地域と手を携え取り組む山成さん。「登録を契機に、建物の保存ができ、利活用も考えていきたいです。それには多くの先人が守り、地域に親しまれている酒蔵を、後世に残していかなければいけません。地元に愛される酒蔵を目指して、杜氏(とうじ)のもと蔵人(くらびと)と共に、心と力、息を合わせて、酒造りに適した環境の中で、井原産にこだわった米や水で、味に個性を持たせるように取り組みたいです。また、小さな酒蔵の特徴を生かし、酒造りの多くの過程で地域の人と協力して、岡山の酒ブランドを発信したいですね」
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