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自治体の皆さまへ

ほのぼの家族No.309 風化させないために

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岡山県倉敷市

母:真理と二人で、長島愛生園という施設に、ハンセン病問題の現地研修に行ってきたのよ。
健太:ハンセン病って、どんな病気?
祖父:コロナと同じで、感染症の一種なんじゃ。
祖母:昔から、治らない病気とか感染力が強いとか、いろいろ誤解もあって、患者への差別があったのよ。
母:昭和の初めごろから、国が愛生園のような療養所を造って患者を無理やり隔離したの。戦後、治療薬ができたのに、その政策は平成まで続いたのよ。
父:多くの方々の運動や努力で、隔離政策は終わり、国も誤りを認めたんだ。でも、元患者の多くは、その後も療養所での生活を続けているそうなんだ。
健太:病気も治って隔離政策も終わったのに、なぜ?
父:残念なことだけど、いまだに世間に元患者やその家族の人たちへの偏見や差別があるからなんだ…。
真理:施設を見学した後に、90歳を過ぎた入所者の方からご自身が受けてきた差別のお話を聴いたんだ。
母:どの療養所でも高齢化が進んで、貴重な体験を語ってくださる元患者が少なくなっているそうよ。
父:このままだと、ハンセン病問題も風化しかねない危機的な状況で、新たな課題となっているんだよ。
母:その方も、「自分たちが亡くなっても、この問題を伝え続けてほしい!」と強く訴えていらしたわ。
父:ハンセン病差別の過ちを忘れて、コロナの時のような差別を繰り返しては、絶対いけないからな。
真理:そのためにも、現地へ行ったり、当事者の方のお話を聴いたりすることが大切なんだね。

※ご感想などは、本庁人権推進室【電話】426-3255へ。

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