真理:私のクラスで、あるグループの人たちが、係の仕事をしなかった一人の子を強く責めたんだ。
祖母:それからどうなったの。
真理:「それはいじめだよ」と注意した子がいたんだけど、今度は注意した子が、そのグループからいじめられるようになったんだ。
母:そうしたら、クラスの他の子もそのグループの標的になるのを恐れたから、その子は誰からも話しかけられなくなって、孤立したんだったね。
祖父:悪いと思っていても、周りの動きを見てから、自分の行動を決めようとするんじゃのぉ。わしらは、どうしても周りを意識するからのぉ。
父:「同調圧力」というものが生まれるんだな。
祖父:コロナ禍では、その同調圧力が強まって「自粛警察」という現象も起きたからのぉ。
父:例えば、店舗に自粛を求めた人は「営業を続けるとみんなに迷惑をかける」というのが「世間の空気だ」と思い込んで行動していたんだろうな。
母:今回のいじめも同じで、知らず知らずのうちに、誰かを攻撃したり排除したりしているのね。
真理:その後、クラスで話し合いをして「周りが気になるけれど、勇気を出してお互いがよき理解者となって行動しよう」という意見になったんだ。
母:よい意見になったわね。同調圧力が正しい方向に働くと、いじめを防止することができそうね。
父:逆に、同調圧力が誰かを傷つける時のしくみや問題点をお互いに理解しておかないとな。
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