こども園の建設は完了しましたが、今年度も中学校の建替、公共施設の長寿命化対策など大型事業を進めており、町の財政を心配する声があります。今回の広報紙では、過去20年間の財政状況の遷移をご確認いただくとともに大型事業を進めている中でも、町の財政状況が健全であることを解説します。
■財政運営
奈義町の基金(貯金)は20年間で約41億円増加!岡山県内で基金が借金を上回る市町村は奈義町のみ!
(1)基金(貯金)の状況
基金とは、簡単にいうと「まちの貯金」です。奈義町では、この20年間で基金を約41億円増加させました。岡山県の市町村では唯一、基金(貯金)が、起債(借金)を上回る健全財政の自治体となっています。基金は、主に公共施設の整備、大規模更新や地域振興・活性化に資する事業、近年は新型コロナウイルス感染症対策事業(令和2~令和4年で2億2千万円)などに活用しています。
(単位:億円)
(2)起債(借金)の状況
起債とは、簡単にいうと「まちの借金」です。奈義町では、この20年間で起債額が約17億円増加しました。増加の主な要因は、こども園・中学校建設事業をはじめ、老朽化した公共施設の長寿命化工事等によるものです。しかし、奈義町は借入額の70%が国から交付される過疎対策事業債等の有利な起債の借入を優先的に行っているため、実際の返済額は起債額(借入額)の3割程度となっています。
(単位:億円)
▽奈義町の基金(貯金)と起債(借金)
(3)交付税措置後の基金(貯金)と起債(借金)の差額
奈義町は、平成22年4月に過疎地域に指定されて以降、起債の借入は主に過疎対策事業債で行っており、この過疎対策事業債を活用することで、借入額の70%が国から交付されるため、上記(2)で令和5年度起債額は、約52億4千万円となっていますが、交付税措置を参入すると実質的な令和5年度起債額は、約15億3千万円となります。
そのため、令和5年度末の基金(貯金)は、起債(借金)を、約39億8千万円上回っています。
(単位:億円)
▽実質的な基金(貯金)と起債(借入金)の差
<この記事についてアンケートにご協力ください。>