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【特集】持続可能な公共交通ネットワークをつくるために(1)

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岡山県岡山市 クリエイティブ・コモンズ

先日、岡山市とバス事業者や有識者が参加する協議会(岡山市公共交通網形成協議会)で、市内のバス路線を再構築する計画案について話し合いが行われました。同協議会委員の神田さんに、岡山市の公共交通の未来についてお話を伺いました。

■人に寄り添う公共交通ネットワークで「心も晴れる岡山」に!
◆岡山市が抱える交通の課題
岡山市はすごく平野が多いですよね。実は、谷合では家や施設が集まってまちができやすく、バスを走らせやすいんですが、平坦な地では小さなまちがまばらに広がり、バスを走らせる的を絞りにくいんです。今は郊外に大型商業施設が増え、車で移動する人も多いので、街に出なくても便利ですね。ただ、年齢を重ねると車の運転が難しくなってきます。郊外では古い団地などに住む人が高齢化し、そういった人が新たにバスを利用しようにも、便数が少なかったり、商業施設に直接通じていないなどの不便さがあります。

◆市とバス会社が一緒に取り組みます
コロナ禍では人の外出が激減し、公共交通の運営がさらに厳しくなりました。そこで、同一区間で重複する路線や郊外などバス需要の小さい地域の交通網を見直し、利用しやすく持続可能なサービスにするため、岡山市がリードしながら、市内で9社あるバス会社が連携して公共交通のこれからを一緒に考えていくことになりました。これは全国的にも画期的なことなんです。

◆工夫がいっぱい!の公共交通網に
今後、岡山市では公共交通全体が効率的につながるネットワークを組み、シンプルで分かりやすい利用システムと、運賃の負担を抑える体制が整備される予定です。例えば遠方でも安心して乗れるよう上限を決めたり、エリアごとの料金設定などが今後検討されていきます。また郊外では小型バスが導入され、大型バスとの乗り継ぎ運賃を、直通で乗った場合と同水準にする見込みです。「公共交通を利用する文化」を岡山でもっと盛り上げられたらと思います。
ちなみに、以前調べたことがあるんですが、公共交通をよく利用する大都市の住民の方が、車中心社会である地方の住民に比べて健康寿命が長いんですね。より歩くことで生活習慣病が減るし、「周りに人がいるから1人じゃない」という感覚が心も豊かにします。
公共交通が不便な地域には乗合タクシーを取り入れるなど、普段使いしやすい公共交通がどんどん充実していくので、これからの発展を楽しみにしていてください。

呉工業高等専門学校 神田佑亮(かんだゆうすけ)教授
1977年広島県生まれ。京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻助教授などを経て、現職。専門は交通計画・土木計画。国土交通省「交通政策審議会地方公共交通部会」委員や「日本モビリティ・マネジメント会議実行委員会」幹事長などを務め、まちづくりの研究と実践の第一線で活躍中。

◆バス路線を維持する新たな仕組みはこちら!!
※詳細は本紙P.3をご覧ください。

◇POINT1 路線を再編します
重複したムダな路線を再編し、幹線と支線に分割。支線を新設・延伸・増便して駅や商業施設などと接続することで、路線バスが日常の移動手段に。

◇POINT2 支線は小型バスで運行します
需要に応じて普通2種免許で運行可能な小型バスを導入することで、運転手の成り手不足を解消。また、大型バスと比べて運行経費の抑制に。

◇POINT3 市と事業者で路線を守ります
支線への小型バス導入や乗り継ぎ環境の整備費用のほか、利益が出にくい支線の運行経費などを市が支援することで、支線を持続可能に。

今回の再編により、バス路線の維持・拡充を図ります。
具体的には本紙4~5ページへ

▽なぜ、新しい仕組みが必要なの?
実は、岡山市の路線バスは危機的な状況だからです

岡山市では、自動車の利用依存やコロナ禍の影響で路線バスの利用者数は減少し、需要の少ない周辺部の路線から減便・廃止が行われていました。さらに、各バス会社は運転手不足や車両の老朽化などの課題にも直面していますが、厳しい経営状況により、人材や設備への新たな投資が困難な状況となっています。

・自動車利用への依存
利用者数は28年間で37%減少
・路線の廃止
運行区間は28年間で26%減少
・運転手不足
現在の運行を維持するのに必要な運転手数は57人不足
・厳しい経営状況
運行経費に占める運賃収入の割合は80%程度

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