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津山の歴史 あ・ら・か・る・と

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岡山県津山市

■津山文化センター(山下)~昭和モダニズム建築と伝統様式~
津山城(鶴山公園)から北西方向を眺望すると、遠方には国指定重要文化財の岡山県立津山高等学校(旧岡山県津山中学校)本館があり、すぐ下には津山文化センターの屋根を見ることができます。
津山文化センターは、川島甲士建築設計研究所の設計により、昭和40年(1965)に完成しました(写真1)。今回は、この津山文化センターの建築物としての特徴を見ていきます。

◇特徴(1)斗栱(ときょう)構造
斗栱構造とは、寺院建築などで、柱の上に「斗(ます)」と「肘木(ひじき)」を組み合わせて深い軒を支える仕組みです(写真2)。
津山文化センターは、その日本古来の斗栱を抽象化し、3層の建物を支えるというユニークな構造が特徴です。コンクリート製の斗栱が、建物の外観を特徴付けるだけでなく、内部空間にも奥行きを与えています(写真3)。

◇特徴(2)逆台形の外観
隣接する史跡津山城跡の石垣に呼応するかのような逆台形の外観は、斗栱構造と相まって、建物の安定感と重厚感を生み出しています。

◇特徴(3)現代モダニズム建築の代表作
建物の完成当時は、現代モダニズム建築の代表作として全国から注目を集めました。東京から見学に来る建築家もいたようです。洗練されたデザインと機能性を兼ね備え、現代においてもその価値は変わっていません。
このように、日本古来の建築様式から発想された構造体を採用しながら、鉄筋コンクリートという現代の素材と建築技術を融合させた独創的なデザインは他に例を見ません。津山市を代表する、現代建築と位置付けることができます。
令和2年(2020)に大規模な改修工事を行い、リニューアルしましたが、外観は本来の姿を保ったまま、より快適な空間へと生まれ変わりました。地域の宝である「津山遺産」として、次の世代に引き継ぎたい名建築です。

※写真は本紙をご確認ください。

問合せ:歴史まちづくり推進室
【電話】32-7000

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