■旧津山駅
昨年開催した、津山郷土博物館特別展「ノスタルジア-少し昔の津山-」で展示した写真から、特に人気の高かった写真を紹介します。
左の写真は、旧津山駅(現在の津山口駅)です。岡山と津山を結ぶ中国鉄道の駅として、明治31年(1898)に開業しました。大正12年(1923)8月に、現在の津山駅が開業すると同時に「津山口駅」と改称しました。
鉄道開通前、津山~岡山間の往復は、徒歩より時間が短縮できる高瀬舟を利用しても、大体2泊3日の日程が必要だったといわれています。鉄道開通後は、片道2時間30分、往復で5時間程度となったため、朝に津山を出発し、岡山で用事を済ませ、その日のうちに帰ってくることができるようになりました。高瀬舟に比べ、物資も大量に輸送できるようになったため、鉄道の登場で高瀬舟は衰退していきました。
上の写真の入口右手には、六角形の電話ボックスが見えます。この型の電話ボックスは、明治末ごろから設置され、当時は全国に4~5千台ありました。
駅前に映っている自動車は、アメリカのウィリス・オーバーランド社製「モデル90(*)」です。当時のアメリカ車として有名なフォード社製の「モデルT」に次いで、よく売れた自動車でした。写真の欄外には「津山池田貸自動車部」と記載があり、その自動車を輸入して貸自動車業を始めたと思われます。津山で貸自動車業ができたのは大正8年といわれており、駅名が「津山駅」となっているため、大正8~12年の間の写真と考えられます。
(*)自動車歴史研究者當とう摩ま節夫氏の教示による
※写真は本紙をご確認ください。
問合せ:津山郷土博物館(山下)
【電話】22-4567
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