津山の人・物・技術など、明日誰かに自慢したくなる津山のいいところを紹介します
■絵本作家としてデビュー すだいくこさん
介護福祉士として市内の病院に勤務する傍ら、カウンセラーとしても活動。令和6年5月に絵本『ふたごの天使』を初出版し、全国からたくさんの共感の声が届く。絵本のすばらしさを伝えるため、市内の保育園などへの絵本の寄贈や、小学校で朗読会のボランティアを行う。
◇夢だった絵本作家
幼いころから絵本が大好きで、図書館で本を借りるのが何よりも楽しみでした。親が共働きで寂しかった時や、学校で落ち込んだ時も、絵本を読むと心が満たされ、救われた気持ちになりました。
物語の想像や言葉遊びも好きで、絵本作家に憧れ、自分の作った絵本が誰かの勇気や癒(い)やしになり、夢を与えられるような存在になりたいと思っていました。
大人になってからは、仕事や子育てに追われる日々。いつしか絵本を描く夢を忘れていました。生活が一段落し、自分を見つめ直せる50代になった時に、ふと、子どものころの夢を思い出しました。物語のイメージがどんどん沸き、4作ほど作ってみました。
その一つが『ふたごの天使』です。友人に見てもらったり、感想を聞いたりする中で、絵本の登竜門と言われる文芸社の「えほん大賞」に応募したのがきっかけで、出版社に声を掛けられ、絵本化が実現しました。
◇作品に込めた思い
『ふたごの天使』は「愛と命」がテーマ。人間の赤ちゃんに生まれ変わることを待つふたごの天使が、体が弱く1人しか出産できない母親のおなかに命を宿す物語です。
医療現場での経験や、身近な女性との関わりの中で、妊活中の悩みを持つ人、死産・流産などで、子どもを失い罪悪感やトラウマに苦しむ人が多いことを知りました。
ストーリーは、そんな人たちに寄り添い、辛い出来事も視点を変えて前向きな気持ちになれるよう背中を押したいと思い、浮かんできたものです。子どもたちにとっても、命の奇跡を知るきっかけになってほしいです。
◇絵本を通じて心豊かに
わたしにとって絵本は、側に寄り添い、勇気を与えてくれる心のビタミン剤です。小さな子どもから高齢の人、性別など関係なく、誰でも気軽に読めるのが魅力です。
忙しい日常の中で、絵本をきっかけに、寝る前の親子の時間や、自分自身がホッとする心豊かな時間が増えてほしいです。
『ふたごの天使』
市内書店で販売中。市立図書館でも貸し出しできます
<この記事についてアンケートにご協力ください。>